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ブレーカーを触ると感電する?安全な操作方法と危険なケースを徹底解説

ブレーカーを触ると感電するのではないか──。停電やブレーカー落ちが起きた際、多くの方が抱く不安です。

結論として、通常の操作で感電する可能性はほとんどありません。しかし、漏電や水濡れ、破損など危険な条件がそろうと、感電リスクが高まる場合があります。

本記事では、安全に操作できる状況と絶対に触ってはいけないケースをわかりやすく解説し、適切な対処法と業者に依頼すべき判断基準を紹介します。

※注意点
ブレーカが漏電している場合や焦げ跡がある、異臭がする、煙が出ている場合は専門業者にお問い合わせをしてください。
設備人(セツビット)にお問い合わせする(関西エリア・年中無休)

ブレーカーを触ると感電するのか


通常の家庭用ブレーカーは、レバー部分が絶縁構造になっており、正しく操作する限り感電の心配はほとんどありません。レバーを手で上げ下げする程度であれば、電流が人体に流れることはありません。

ただし例外もあります。ブレーカーが濡れていたり、焦げ跡や破損で内部の金属部が露出していたりすると、感電リスクは一気に高まります。さらに、漏電が起きている状態で無理に操作すると感電事故につながることがあります。

以下の表に、安全なケースと危険なケースを端的にまとめました。

状況 感電リスク 理由
正常な操作 ほぼ無い 絶縁されたレバー構造
濡れている 高い 水が電気を通しやすい
漏電が疑われる 高い 異常な電流が流れているため
焦げ・破損あり 高い 内部金属が露出しやすい

操作前に「濡れていないか」「異常がないか」を確認するだけで、事故を未然に防ぐことができます。

ブレーカーを触ってはいけない危険な状況

ブレーカーは通常であれば安全に触れますが、周囲に明らかな異常がある場合は絶対に操作してはいけません。以下のような状況では、感電や火災につながる恐れが高いため注意が必要です。

【ブレーカーを触っていけない状況】

  • ●水濡れ・結露が見られる場合
  • ●焦げ跡・異臭・煙がある場合
  • ●漏電ブレーカーが何度も落ちる場合

水濡れ・結露が見られる場合

浴室や洗面所の湿気による分電盤内部の結露、雨漏りや浸水でブレーカー自体が濡れている場合など、水分があると電気が外部に漏れやすくなります。

焦げ跡・異臭・煙がある場合

落雷直後に焼け焦げたような臭いがする、ブレーカーやコンセントに焦げた跡がある、あるいは煙が出ているなど、内部でショート(短絡)が起きている可能性が極めて高い状況です。

漏電ブレーカーが何度も落ちる場合

電遮断器(ELB)が繰り返し作動してブレーカーが落ちるなら、どこかで漏電が発生している危険な兆候です。

こうしたケースでは、ブレーカーに触れずそのまま電源を切った状態に保ち、速やかに専門業者(電気工事士)に点検を依頼することが安全を守る最も確実な方法です。無理に自分で復旧しようとせず、プロに任せてください。

関連記事:ブレーカーとは?役割や仕組み・種類ごとの簡単な見分け方を解説

ブレーカーを安全に触る方法

ブレーカーを安全に操作するためには、周囲の状態と自分自身の状態を整えることが重要です。操作の前に次のポイントを確認しましょう。

【ブレーカーを安全に操作する際のポイント】

  • ●身体を乾いた状態にする
  • ●分電盤周りを点検する
  • ●ゆっくり操作する
  • ●無理に繰り返さない

それぞれ詳しく解説します。

ポイント1:身体を乾いた状態にする

手や足が濡れていないか確認します。水気があるときはタオルでよく拭き取り、必要ならスリッパを履くなどして体が直接大地と接しにくい状況を作ります。

ポイント2:分電盤周りを点検する

分電盤(ブレーカーの入っている箱)の外観に破損や焦げ跡がないかチェックします。異常がなければ、カバーを開けてブレーカーのレバーに手を掛けます。異常がある場合は前述の通り触らず専門業者を呼んでください。

ポイント3:ゆっくり操作する

レバーをゆっくりと「入(オン)」の位置に上げ、通電させます。ブレーカーが落ちた直後であれば、照明や家電製品のスイッチを一度切ってからブレーカーを入れると、過電流による再落下を防ぎやすくなります。

ポイント4:無理に繰り返さない

復旧後にすぐブレーカーが再び落ちる場合は、何らかの異常が続いている証拠です。無理に何度も上げ下げせず、次の章で述べる原因の切り分け作業を行うか、専門業者に調査を依頼してください。

以上のように、「正常な設備であること」が安全に操作する大前提です。少しでも不安や異常があれば操作を中止し、プロに任せましょう。

ブレーカーが落ちる原因

ブレーカーが落ちる理由を理解することは、安全な復旧と再発防止に役立ちます。
一般的な原因は「過電流」「ショート」「漏電」「経年劣化」の4つです。

例えば、電子レンジとドライヤーを同時に使った場合は過電流が原因であり、使用家電の組み合わせを見直せば解決できます。一方、ショートは電気配線の破損などで突然大きな電流が流れた状態で、焦げ跡や異臭を伴うことがあります。漏電は電気が本来流れない場所に流れている状態で、感電や火災の原因となる非常に危険な症状です。また、古いブレーカーは経年劣化で正常に働かず誤作動することもあります。

原因ごとに対処方法が異なるため、正しい理解が安全につながります。以下の記事では、ブレーカーが落ちる原因と復旧方法を解説していますので、ぜひご覧ください。

関連記事:ブレーカーが落ちる原因は?3つの種類別に復旧方法を解説

漏電が疑われる場合の対処方法

ブレーカーが頻繁に落ちたり、特に「漏電ブレーカー(ELB)」だけが落ちる場合は漏電の疑いがあります。漏電は感電や火災の原因になり得るため、迅速かつ慎重な対処が必要です。

※注意点
水漏れや焦げ跡がある場合、この調査作業自体が危険です。安全を確保できない状況では、無理に触らず必ず専門の電気工事業者に依頼してください。

まず行うべきは、家全体の電源を落とさずに「どの回路で漏電が起きているか」を確認することです。方法としては、すべての個別ブレーカーをオフにしたあと、主幹ブレーカーを上げ、回路を一つずつオンにして落ちる箇所を特定します。この作業で原因回路を絞り込み、家電の故障なのか配線の問題なのか判断できます。

ただし、水漏れや焦げ跡がある場合はこの作業自体が危険です。安全に作業できない状況では復旧を試みず、必ず専門の電気工事士に依頼してください。

関連記事:漏電ブレーカーが落ちるのは漏電のサイン?原因と対処法を解説

感電リスクを減らす基礎知識

感電を防ぐためには「電気が体を通る条件」を理解しておくことが有効です。感電は、電源・導電経路・接触が同時に成立したときに起こります。特に水分は電気を通しやすく、濡れた手足や湿った床は感電リスクを大きく高めます。

また、金属類のアクセサリーや工具も電気を通しやすいため、ブレーカー作業時には外しておくのが望ましいです。家庭内では、浴室・キッチン周りなど湿気の多い環境が感電しやすい場所です。

こうした基礎知識を持つことで、日常的に危険を回避しやすくなり、ブレーカー操作時の安全性が向上します。

ブレーカーを触るべきかの判断基準

ブレーカーを触るべきか迷ったときは、「安全に復旧できる状況か」を判断基準にします。

【ブレーカに触るべきかの判断基準】

状況の特徴 理由
安全に触って復旧してよい場合
  • ●ブレーカー・分電盤の外観に異常なし
  • ●水濡れ・焦げ跡・異臭がない
  • ●原因が「家電の使いすぎ(過電流)」と特定できる
  • ●設備が正常で、感電につながる条件がない
  • ●過電流による遮断は復旧して問題ないため
  • ●安全手順に沿ってレバーを戻せば復旧可能
触るべきではない場合(危険)
  • ●漏電が疑われる(ブレーカーがすぐ落ちる等)
  • ●触れたときにビリッと感じる
  • ●分電盤周りが湿っている
  • ●濡れている
  • ●焦げ跡・破損・異臭・煙がある
  • ●内部で異常な電流が流れている可能性が高い
  • ●操作すると感電・火災など重大事故につながる危険あり
  • ●判断に迷う場合も含め、専門業者による点検が必須

外観が正常で、濡れ・焦げ跡・異臭がなく、原因が過電流だと明確に判断できる場合は、復旧操作をして問題ありません。しかし、漏電が疑われる場合や、復旧後すぐ落ちる場合、分電盤の周囲が湿っている場合は触るべきではありません。

これらは内部で異常な電流が流れている可能性があり、無理な操作が感電や火災を引き起こす危険があります。判断に迷う場合は、安全を最優先し、自分で触らず業者に依頼する方が確実です。

ブレーカを日常的にメンテナンスする方法

日常的なメンテナンスは、ブレーカー周りの安全維持に大きく役立ちます。

例えば、分電盤の周囲を常に乾燥した状態に保つことや、ほこりをこまめに取り除くことで、湿気やホコリによるショートリスクを減らせます。また、家電の電源コードやコンセントに傷・焦げ跡がないかを定期的に確認することも重要です。アースが正しく接続されているかも、感電リスクを下げる大切な要素です。

こうした小さなチェックを習慣化しておけば、ブレーカーが落ちる原因の予防にもなるため、結果として大きなトラブルを未然に防げます。

感電の恐れがある場合の緊急対応について

緊急時は「無理に復旧しない」という判断が事故を防ぐ最大のポイントです。

電源を切る

感電している人がいたら、まず電気の流れを止めます。ブレーカーの主幹スイッチをオフにする、電源プラグを抜く、感電している機器のスイッチを切るなど、可能な方法で電源を断ちましょう。

絶対に電源を切る前に感電者に直接触れてはいけません。下手に触ると救助者にも電流が流れて大変危険です。

安全を確認する

電源が確実に遮断されたことを確認してから、感電した人に近づきます。周囲に燃えやすいものがないか、火が出ていないかも確認しましょう。

反応をチェックする

感電した本人の意識があるか、呼びかけに反応するか、呼吸をしているかをすぐに確認します。反応がなく意識不明、または呼吸が止まっている・乱れている場合は速やかに119番(救急車)を呼び、必要であれば心肺蘇生を開始します。

応急手当と医療

意識があり一見大丈夫そうに見える場合でも、感電後にしびれや胸の圧迫感、動悸などの症状が続くことがあります。少しでも異常があれば必ず医療機関を受診してください。感電のダメージは内部で遅れて現れる場合もあるため、医師によるチェックを受けた方が安心です。

火災の警戒

ブレーカーが焦げ付いている、焼け焦げた臭いがする、煙が出ているなど火災が疑われる状況では、復旧操作を行わず119番(消防)や電力会社に連絡して指示を仰いでください。他の部屋の電気を含め、当該回路の電源には触らず、その場から速やかに避難しましょう。

緊急時には、「無理に復旧させようとしない」という判断が、さらなる事故を防ぐ最大のポイントです。人命と安全を第一に行動してください。

専門業者に依頼するメリット

専門の電気工事業者に依頼する最大のメリットは、「安全性」と「原因特定の精度」です。

漏電やショートは目視では判断できない場合が多く、一般の方が無理に調査すると二次被害につながる恐れがあります。業者は専用の測定器で電圧・抵抗・漏電状況を正確に測定し、どの回路・どの家電に問題があるのかを短時間で特定できます。

また、問題が見つかった場合にはその場で修理・交換まで対応できるため、再発防止が徹底されます。費用も相場が明確で、緊急対応の依頼が多い業者ほど料金体系が安定している傾向があります。

自分では判断が難しいケースでは、プロに任せる方が結果的に安全で迅速な解決につながります。

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まとめ

ブレーカーを触る際の感電リスクは、通常の操作では低いものの、漏電・水濡れ・焦げ跡・破損といった異常がある場合は一気に危険性が高まります。

安全に操作するためには、周囲の状態を確認し、危険なサインが一つでもあれば操作を中断することが重要です。また、原因の理解や日常メンテナンスを行うことで、トラブルを未然に防ぐことができます。判断が難しい・不安がある場合は、無理に触らず専門業者に依頼することが最も確実で安全です。

正しい知識と対処方法を身につけ、家庭の電気トラブルに適切に備えましょう。

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