ブレーカーを「入」にしても電気が復旧しない場合は、地域全体の停電や漏電、家電・配線の異常、ブレーカー自体の不具合など複数の原因が考えられます。
また、一部の部屋だけ電気がつかない場合と、家全体が停電している場合でも確認すべきポイントは異なります。
原因が分からないままブレーカーを何度も操作すると、漏電やショートなどの異常が残っている場合に危険です。
本記事では、ブレーカーを戻しても電気がつかない原因や確認方法、安全な復旧手順、専門業者へ相談する目安について解説します。
ブレーカーを戻しても電気がつかないときは停電範囲から確認する
ブレーカーを戻しても電気がつかない場合は、まず停電している範囲を確認すると原因を絞り込みやすくなります。
近隣住宅や街灯も消えている場合は、台風や落雷、送配電設備のトラブルによる地域停電の可能性があるため、ブレーカーを繰り返し操作せず、一般送配電事業者の停電情報を確認しましょう。
一方、近隣に電気がついていて自宅だけ停電している場合は、分電盤の各ブレーカーや住宅内の電気設備、電力供給に問題がないか確認します。
また、一部の部屋だけ電気がつかない場合は配線用ブレーカーが作動している可能性があるため、レバーが中間位置なら一度「切」にしてから「入」に戻してください。
ブレーカーの機種によっては、作動後にレバーが中間位置で止まる場合があります。
復旧方法は分電盤やブレーカーの表示・取扱説明書に従い、不明な場合は無理に操作せず専門業者へ相談しましょう。
ブレーカーを戻しても電気がつかない主な原因
ブレーカーを「入」にしても電気がつかない原因には、地域停電だけでなく、漏電やショート、ブレーカーの操作状態、住宅設備の故障などがあります。
また、引越し直後であれば電気の使用開始手続きが完了しておらず、そもそも送電されていない場合も考えられます。
そのため、「ブレーカーが上がっているから分電盤には問題がない」と判断することはできません。
ここでは、ブレーカーを戻しても復旧しない代表的な原因について解説します。
漏電やショートなどの異常が残っている
ブレーカーを戻してもすぐ落ちる、または漏電ブレーカーを「入」にできない場合は、住宅内の家電や配線で漏電やショートなどが続いている可能性があります。
漏電ブレーカーは電気が本来の経路以外へ漏れている状態を検知すると、安全のため電気を遮断する装置です。
また、配線用ブレーカーはショートや回路への過大な電流によって作動する場合があります。
そのため、異常が解消されていない状態で何度もブレーカーを戻すことは避け、原因となる回路を確認して専門業者へ相談しましょう。
ブレーカーが正しくリセットされていない
ブレーカーが作動した後、レバーが「切」まで完全に下がらず、中間位置で止まる製品があり、この状態でそのまま「入」方向へ押しても正常に復旧できない場合があります。
大阪ガスでは、回路ブレーカーが中間位置で止まっている場合には、一度レバーを下げてから上げるよう案内しています。
そのため、見た目では上がっているように見えても、電気がつかない場合はレバーの位置を確認してください。
ただし、上げてもすぐ落ちる場合は操作を繰り返さず、設備の異常を疑う必要があります。
ブレーカーや分電盤自体が故障している
漏電や家電の使いすぎが確認できないにもかかわらず、ブレーカーを戻しても電気がつかない場合は、ブレーカーや分電盤自体の不具合も考えられます。
内部部品や接点が経年劣化すると、レバーが「入」になっていても正常に通電できない可能性があります。
また、外側から見ただけでは内部の故障を判断できません。
そのため、すべてのブレーカーが「入」に見えるのに自宅だけ電気がつかない場合は、分電盤を分解せず電気工事店などへ点検を依頼してください。
電力会社から電気が送られていない
引越し直後などでは、分電盤のブレーカーに問題がなくても、電気の使用開始手続きが完了していないことで電気がつかないケースも少なくありません。
東京電力エナジーパートナーでは、入居先でアンペアブレーカー、漏電遮断器、配線用遮断器の順に操作しても電気がつかない場合は、連絡するよう案内しています。
また、使用開始日より前は送電されていない場合もあります。
引越し先で初めて電気を使用する場合は、ブレーカーだけでなく電力契約の開始状況も確認しましょう。
照明器具やコンセントなど個別設備に故障がある
家全体では電気が使えるものの、特定の照明やコンセントだけ使えない場合は、ブレーカーではなく個別設備が故障している可能性があります。
例えば、照明だけがつかない場合は電球切れや照明器具、壁スイッチの故障などが考えられます。
また、特定のコンセントだけ使用できない場合は、コンセント本体や接続部分の異常も否定できません。
ほかの部屋や家電では電気が使える場合は、家全体の停電ではなく、電気がつかない設備の状態を確認してください。
ブレーカーを戻しても電気がつかないときの確認手順
電気がつかないときは、やみくもにブレーカーを操作するのではなく、停電範囲や分電盤の状態を順番に確認することが大切です。
まず周辺住宅も停電しているかを確認し、自宅だけなら分電盤を確認します。
また、ブレーカーを操作する前には、アイロンや電気ストーブなど発熱する家電が電源オンのままになっていないか確認してください。
ブレーカーを戻しても電気がつかないときは、以下の手順に沿って状況を確認していきましょう。
周辺の停電状況を確認する
最初に、自宅周辺の住宅や街灯などにも電気がついていないか確認しましょう。
周辺一帯が停電している場合は、住宅内のブレーカーを戻しても電気は復旧しません。
また、台風や雷などが発生していなくても、送配電設備の故障や工事によって停電する可能性があります。
そのため、周囲も停電しているときは地域を担当する一般送配電事業者の停電情報を確認してください。
停電情報が掲載されていない場合でも、しばらく復旧しないときは送配電事業者へ問い合わせる方法があります。
使用していた家電の電源を切る
自宅だけ停電している場合は、ブレーカーを戻す前に電気が消れる直前まで使用していた家電を停止しましょう。
特に、エアコンや電子レンジ、ドライヤー、暖房器具など消費電力の大きい家電を同時に使用していた場合は、容量超過によってブレーカーが作動した可能性があります。
また、故障した家電が原因でブレーカーが落れている場合もあるため、疑わしい機器はプラグを抜いておくとよいでしょう。
ただし、焦げや異常な発熱がある機器には不用意に触れないでください。
ブレーカーを一度「切」にしてから「入」にする
作動したブレーカーのレバーが中間位置で止まっている場合は、そのまま上方向へ動かしても復旧できないことがあります。
そのため、安全を確認したうえで、一度レバーを「切」の位置まで下げてから「入」に戻してください。
大阪ガスも、回路ブレーカーが真ん中で止まっている場合は、一度下ろしてから上げる方法を案内しています。
ただし、操作した直後に再びブレーカーが落ちる場合は、異常が残っている可能性があるため、何度も操作を繰り返さないでください。
漏電が疑われる場合は回路を1つずつ確認する
漏電ブレーカーが作動した場合は、配線用ブレーカーをすべて「切」にした後、漏電ブレーカーを戻し、配線用ブレーカーを1つずつ「入」にすることで問題の回路を確認できる場合があります。
特定の配線用ブレーカーを入れたときに漏電ブレーカーが落ちた場合は、その回路で漏電している可能性があります。
その回路は切ったままにし、修理を依頼しましょう。
ただし、操作に不安がある場合や分電盤に異常がある場合は、自分で確認せず専門家へ相談しましょう。
ブレーカーを戻しても電気がつかないときにやってはいけないこと
電気が復旧しないと焦って何度もブレーカーを操作したくなりますが、原因が分からない状態で繰り返し通電することは避けてください。
また、分電盤のカバーを取り外して内部の配線や端子を自分で修理する行為も危険です。
特に、焦げ臭さや異音、溶けた部分などがある場合は、東京電力パワーグリッドもブレーカーを操作せず連絡するよう案内しています。
自分でできるのは通常のスイッチ操作までと考え、安全を優先しましょう。
ブレーカーを何度も上げ直す
ブレーカーを戻してもすぐに落ちる状態では、電気設備が過電流や漏電などの異常を検知している可能性があります。
そのため、「何度か上げれば復旧するかもしれない」と繰り返し操作することは避けてください。
また、一度電気がついても短時間で再び停電する場合は、原因が解消されたとは判断できません。
東京電力パワーグリッドも、ブレーカーを操作して電気が復旧しない場合は無理に操作を繰り返さないよう案内しています。
異常が続く場合は専門家へ点検を依頼しましょう。
分電盤を開けて内部の配線を触る
電気がつかない原因を探すために、分電盤のカバーを外して内部の配線や端子へ触れることは避けてください。
分電盤内部には通電している部分が残っている可能性があり、誤って触れると感電やショートにつながるおそれがあります。
また、配線の接続や交換など一定の工事には電気工事士の資格が必要です。
そのため、自分で確認する場合はブレーカーのレバーや表示など通常操作できる範囲までにとどめ、内部の点検や修理は電気工事業者へ依頼してください。
焦げ臭い・異音がする状態で無理に復旧させる
分電盤から焦げ臭いにおいがする、異音が聞こえる、一部が溶けているなどの異常がある場合は、ブレーカーを操作して復旧を試さないでください。
こうした状態では内部で異常発熱や焼損が起きている可能性があり、触れることで事故につながるおそれがあります。
東京電力パワーグリッドも、ブレーカーから焦げ臭いにおいや変な音がする場合、また一部が溶けている場合は操作せず連絡するよう案内しています。
煙や炎がある場合は避難して119番への通報を優先しましょう。
ブレーカーを戻しても電気がつかない場合の連絡先
ブレーカーを戻しても電気がつかない場合は、停電の範囲や症状に応じて適切な連絡先を選ぶことが重要です。
まず、近隣住宅や街灯も消えている場合は地域停電の可能性があるため、一般送配電事業者の停電情報を確認し、必要に応じて問い合わせましょう。
一方、周辺では電気が使えているのに自宅だけ復旧しない場合は、引込線など送配電設備側の不具合も考えられるため、一般送配電事業者または電気工事業者へ相談してください。
また、賃貸住宅では貸主側の設備に問題がある可能性もあるため、地域停電や契約上の問題でないことを確認したうえで、管理会社や大家へ連絡します。
なお、焦げ臭さや異音、煙や炎がある場合は無理にブレーカーを操作せず、煙や炎があるときは避難と119番通報を優先してください。
まとめ|ブレーカーを戻しても電気がつかない場合は原因を順番に確認しよう
ブレーカーを戻しても電気がつかない場合は、地域停電や漏電、ショート、ブレーカーや住宅設備の故障、電気の使用開始手続きなどさまざまな原因が考えられます。
まず、自宅だけが停電しているのか周辺も停電しているのかを確認し、自宅だけであれば分電盤の状態を確認しましょう。
また、ブレーカーが中間位置にある場合は、一度「切」にしてから「入」にすることで正常にリセットできる場合があります。
一方、戻してもすぐに落ちる状態では、漏電や設備異常が残っている可能性があるため注意が必要です。
特に、焦げ臭さや異音、溶けた部分、煙などが確認できる場合は、無理に復旧させてはいけません。
原因が分からない場合や正常に復旧しない場合は、電力会社や一般送配電事業者、電気工事業者、賃貸住宅なら管理会社などへ相談してください。