ブレーカーは、一定以上の電流が流れた場合や漏電などの異常を検知した際に、電気を自動的に遮断する設備です。
そのため、原因もなく勝手に落ちているように見えても、電気設備や家電に何らかの異常が起きている可能性があります。
特に、何度も繰り返し落ちる、焦げ臭い、異音がするといった症状がある場合は注意が必要です。
本記事では、ブレーカーが勝手に落ちる主な原因や種類別の見分け方、安全な対処法、専門業者へ点検を依頼する目安まで解説します。
ブレーカーが勝手に落ちる主な原因
ブレーカーが勝手に落ちる原因としては、家庭全体または特定回路での電気の使いすぎ、漏電、ショート、家電製品の故障などが挙げられます。
また、長期間使用しているブレーカーでは、内部部品の経年劣化によって正常に動作しなくなっている場合もあります。
原因によって必要な対応は異なるため、単純にブレーカーを上げ直すだけでは解決できないケースも少なくありません。
ここでは、代表的な原因を順番に解説します。
家庭全体で電気を使いすぎている
家庭全体で同時に使用する電気が契約している容量を超えると、アンペアブレーカーなどが作動して住宅全体の電気が切れる場合があります。
特に、エアコンや電子レンジ、ドライヤー、電気ヒーターなど消費電力の大きい家電を同時に使用すると、契約容量を超えやすくなるでしょう。
特定の回路へ負荷が集中している
家庭全体の使用量に問題がなくても、特定の部屋や回路で多くの家電を同時に使用すると、配線用ブレーカーが落ちる場合があります。
例えば、キッチンで電子レンジや炊飯器、トースターなどを同時に使うと、1つの回路へ負荷が集中しやすくなります。
また、暖房器具やドライヤーなど消費電力の大きい製品を同じ回路で使用する場合も注意が必要です。
住宅内のどこかで漏電している
漏電とは、本来電気が流れるべき配線や回路以外へ電気が漏れている状態です。
家電製品や住宅内の配線で漏電が発生すると、漏電ブレーカーが異常を検知して電気を遮断する場合があります。
また、配線の劣化や家電の故障、水分の侵入などが漏電につながるケースもあるでしょう。
家電製品や電源コードが故障している
特定の家電を使用した直後にブレーカーが落ちる場合は、その家電や電源コードに異常が起きている可能性があります。
家電内部でショートや漏電が発生した場合には、安全ブレーカーや漏電ブレーカーが作動することがあります。
また、電源コードの被覆が破損している、プラグが変色している、異常に熱くなっている場合も注意が必要です。
ブレーカーや分電盤が劣化している
電気の使用量や家電に問題が見当たらない場合は、ブレーカーや分電盤自体の劣化も原因として考えられます。
東京電力パワーグリッドでは、製造年数が古い漏電ブレーカーでは、経年劣化によって漏電が発生していなくても落ちる場合があると説明しています。
そのため、長期間使用している分電盤で突然ブレーカーが落ちるようになった場合は、設備自体の点検も必要です。
落雷などの一時的な影響を受けている
雷が発生したときには、電気設備へ瞬間的な影響が加わり、漏電ブレーカーなどが作動することがあります。
東京電力パワーグリッドでは、落雷による一時的な影響で漏電ブレーカーが落ちる場合があるとしています。
ただし、一度復旧させてもすぐに落ちる場合や、何度も繰り返して落ちる場合は、落雷以外の原因も考えておくことが大切です。
そのため、雷がきっかけだったとしても、その後も症状が続く場合は放置せず、設備の点検を依頼することが大切です。
勝手に落ちるブレーカーの種類から原因を見分ける
分電盤には役割の異なる複数のブレーカーがあり、どのブレーカーが落ちたかによって考えられる原因をある程度絞り込めます。
以下では、ブレーカーの種類から原因を見分ける方法をお伝えします。
アンペアブレーカーが勝手に落ちる場合
アンペアブレーカーが落ちる主な原因は、住宅全体で使用している電気が契約アンペア数を超えることです。
そのため、特定の家電1台だけではなく、複数の部屋で同時に使用している電気の合計を確認する必要があります。
例えば、エアコンを使用しながら電子レンジやドライヤーを使ったときだけ落ちる場合は、契約容量を超えている可能性があります。
まずは同時に使用する家電を減らし、それでも頻繁に発生する場合は契約容量が生活状況に合っているか確認しましょう。
漏電ブレーカーが勝手に落ちる場合
漏電ブレーカーが落ちる場合は、住宅内の家電や配線などで漏電が発生している可能性があります。
漏電ブレーカーは、漏電による感電や火災を防ぐために電気を遮断する設備であり、何度も作動する場合には注意が必要です。
また、漏電だけでなく、製品によっては短絡や過電流、過電圧などを検知して主幹ブレーカーが作動することもあります。
そのため、漏電だと自己判断せず、ブレーカーの表示や発生状況を確認しながら、必要に応じて専門業者へ相談しましょう。
配線用ブレーカーが勝手に落ちる場合
配線用ブレーカーが落ちる場合は、そのブレーカーにつながっている一部の回路で電気を使いすぎている可能性があります。
また、ショートや接続している家電の故障によって作動する場合もあるため、単純な使いすぎとは限りません。
特定の部屋で複数の家電を使用したときだけ落ちる場合は、使用する機器を減らして様子を確認しましょう。
一方、電気機器をほとんど使用していないのに繰り返し落ちる場合は、専門業者による点検を受けることが推奨されています。
ブレーカーが勝手に落ちるときに確認したいポイント
原因を調べるときは、ブレーカーが落ちたという事実だけでなく、その直前に使用していた家電や停電した範囲、天候なども確認しましょう。
以下では、ブレーカーが勝手に落ちる際に確認したいポイントを解説します。
どの家電を使った直後に落ちたか確認する
ブレーカーが落ちる直前に使用していた家電を確認すると、原因を絞り込む手掛かりになります。
特定の家電のスイッチを入れるたびに同じブレーカーが落ちる場合は、その機器の故障や接続している回路への負荷集中が考えられます。
また、複数の消費電力が大きい家電を同時に使用した場合だけ落ちるのであれば、過電流が原因の可能性もあるでしょう。
使用していた家電や発生時刻を記録しておくと、専門業者へ点検を依頼するときにも状況を伝えやすくなります。
家全体と一部の部屋のどちらが停電したか確認する
ブレーカーが落ちたときは、家全体の電気が消えたのか、特定の部屋だけ停電したのかを確認してください。
家全体が停電した場合はアンペアブレーカーや漏電ブレーカーなどが作動している可能性があり、一部だけなら配線用ブレーカーが落ちている可能性があります。
ただし、自宅のブレーカーではなく地域全体で停電しているケースもあるため、周辺住宅や電力会社の停電情報も確認するとよいでしょう。
停電範囲と分電盤の状態を併せて見ることで、原因を切り分けやすくなります。
焦げ臭い・異音・異常な発熱がないか確認する
ブレーカーが勝手に落るだけでなく、分電盤やコンセントから焦げ臭いにおいがする、「ジジジ」「パチパチ」といった異音がする場合は注意してください。
また、プラグやコード、分電盤周辺が異常に熱くなっている場合も、設備に問題が起きている可能性があります。
こうした異常がある状態で何度もブレーカーを上げると、事故につながるおそれがあります。
原因を確認するために設備へ直接触れたり分解したりせず、電気の使用を中止して専門業者へ相談しましょう。
ブレーカーが勝手に落ちたときの対処法
ブレーカーが落ちた場合の対処方法は、原因や作動したブレーカーの種類によって異なります。
以下では、ブレーカーが勝手に落ちたときの対処法を解説します。
電気の使いすぎなら使用する家電を減らす
アンペアブレーカーや配線用ブレーカーが過電流によって落ちている場合は、同時に使用している家電を減らしてから復旧する方法があります。
特に、電子レンジやドライヤー、電気ヒーターなど消費電力の大きい家電は、同時に使用する時間をずらすのが効果的です。
また、特定回路への負荷が原因の場合は、別の回路へ家電を分散させる方法も考えられます。
ただし、電気の使用量を減らしても繰り返し落ちる場合は、設備の点検を依頼してください。
特定の家電を使うと落ちる場合は使用を中止する
ある家電を使用すると毎回ブレーカーが落ちる場合は、その家電や電源コードに異常がある可能性があります。
そのまま何度も電源を入れて確認すると、故障部分へ繰り返し電気が流れるため避けてください。
また、コードの破損やプラグの変色、焦げたにおいなどが見られる場合は、さらに注意が必要です。
原因として疑われる家電は使用を中止し、自分で分解や応急修理をせず、メーカーや販売店などへ点検・修理を相談しましょう。
漏電ブレーカーが何度も落ちる場合は点検を依頼する
漏電ブレーカーが一度だけではなく何度も勝手に落ちる場合は、住宅内で漏電している可能性やブレーカー自体の故障などが考えられます。
東京電力パワーグリッドでは、落雷で一時的に作動した場合でも、その後すぐ落ちる、何度も繰り返し落ちる場合は、落雷以外の原因が考えられるとして点検を案内しています。
そのため、何度も上げ直して使用を続けることは避け、漏電が疑われる場合は電気工事業者などへ調査を依頼してください。
ブレーカーが勝手に落ちる場合は故障や経年劣化も確認する
ブレーカーが勝手に落ちる場合は、電気の使い過ぎや漏電だけでなく、ブレーカー本体や分電盤の故障・経年劣化も確認しましょう。
特に、長期間使用している設備では内部の部品や接点が劣化し、正常な状態でもブレーカーが落ちやすくなる可能性があります。
また、焦げや変色、樹脂部分の変形、焦げ臭さ、普段と異なる音がある場合は、異常発熱や焼損が起きているケースも考えられます。
そのため、築年数が長い住宅や長期間交換していない分電盤では、専門業者へ点検を依頼することが大切です。
なお、煙や炎が確認できる場合は無理に近づかず、安全な場所へ避難して119番へ通報してください。
まとめ|ブレーカーが勝手に落ちるときは原因を確認して適切に対処しよう
ブレーカーが勝手に落ちる場合は、家庭全体または一部の回路での電気の使いすぎ、漏電、ショート、家電製品の故障、ブレーカーの経年劣化などが原因として考えられます。
そのため、まずはどのブレーカーが落ちているのかを確認し、発生時に使用していた家電や停電した範囲も整理することが大切です。
電気の使いすぎが原因であれば、消費電力の大きい家電を同時に使用しないことで改善する場合があります。
一方、電気の使用量が少なくても落ちる場合や漏電ブレーカーが繰り返し作動する場合は、設備の異常を疑う必要があります。
特に、焦げ臭さや異音、変色、異常な発熱などを伴う場合は使用を続けず、安全を確保してください。
原因が分からないままブレーカーを何度も上げ直したり分電盤内部を修理したりせず、必要に応じて電気工事業者などへ点検を依頼しましょう。