ブレーカーは長期間使用する設備ですが、内部の部品は経年によって劣化するため、いつまでも同じ状態で使用できるわけではありません。
住宅用分電盤に内蔵されるブレーカーは、製造後13年程度が更新を検討する目安とされています。
また、設置年数だけでなく、頻繁にブレーカーが落ちる、異音や焦げ臭さがあるといった症状も点検を検討するサインです。
本記事では、古いブレーカーの交換時期や劣化のサイン、使い続けるリスク、交換する際の注意点について解説します。
古いブレーカーは経年劣化している可能性がある
古いブレーカーは、見た目に異常がなくても内部の接点や機械部分などが劣化している可能性があるため、外観だけで状態を判断するのは避けましょう。
また、日本配線システム工業会では住宅用分電盤の交換時期の目安を13年としており、Panasonicも内蔵ブレーカーについて製造後約13年を更新の目安としています。
ただし、劣化の進み方は使用環境によって異なるため、13年を超えたからといってすぐに故障するとは限りません。
そのため、長期間使用している場合や設置時期が分からない場合は、築年数や交換履歴を確認したうえで、専門業者による点検や交換を検討するとよいでしょう。
古いブレーカーの交換時期は13年程度が1つの目安
システム工業会では、住宅用分電盤の交換時期の目安を13年としており、内蔵されるブレーカーについてもメーカーから同程度の更新目安が示されています。
そのため、設置から13年以上経過している古いブレーカーは、正常に使えていても点検や交換を検討するとよいでしょう。
また、設置年数が分からない場合は、住宅の築年数やリフォーム履歴、設備の交換記録などから設置時期を確認できます。
ただし、分電盤のカバーを外したり内部に触れたりするのは危険なため、見える範囲で確認できない場合は電気工事業者に点検を依頼し、部分交換か分電盤全体の更新かを判断してもらいましょう。
古いブレーカーで確認したい劣化のサイン
ブレーカーの交換時期を判断するときは、設置年数だけでなく実際に異常が現れていないかを確認することも重要です。
つぎのような異常がある場合は、使用年数に関係なく点検を受けましょう。
以前よりブレーカーが頻繁に落ちる
以前と同じように家電を使用しているにもかかわらず、最近になってブレーカーが頻繁に落ちる場合は注意が必要です。
単純に電気を使いすぎている可能性もありますが、ブレーカー本体の劣化や家電・配線の異常などが関係している場合もあります。
また、漏電ブレーカーが繰り返し落ちるのであれば、住宅内で漏電が起きている可能性も考えなければなりません。
同時に使う家電を減らしても症状が改善しない場合は、何度も上げ直さず専門業者へ点検を依頼してください。
焦げ臭いにおいや異音がする
分電盤やブレーカー周辺から焦げ臭いにおいがする場合や、「ジジジ」「パチパチ」など普段とは異なる音が聞こえる場合は注意が必要です。
内部や接続部分で異常発熱などが起きている可能性があり、そのまま使用することはおすすめできません。
また、原因を確認するために分電盤を開けたり内部の配線へ触れたりすると、感電や事故につながるおそれがあります。
焦げ臭さや異音が確認できる場合は、電気の使用状況を安全な範囲で確認したうえで、早めに電気工事業者へ相談しましょう。
ブレーカーや分電盤が異常に熱くなる
分電盤やブレーカーが明らかに熱くなっている場合も、点検を検討するサインです。
電気を使用すると機器が多少温度上昇する場合はありますが、触れにくいほど熱い、以前より熱を持つようになったと感じる場合は異常発熱の可能性があります。
また、内部の接続不良や部品の劣化などが原因となっているケースも考えられるでしょう。
変色・ひび割れ・変形などが見られる
分電盤のケースやブレーカーに焦げ跡がついている、樹脂部分が変形している、ひび割れがある場合も放置しないようにしましょう。
経年劣化だけでなく、異常な発熱や外部からの影響によって部品が損傷している可能性があります。
また、ケースが破損するとホコリなどが内部へ入りやすくなる場合もあります。
分電盤の扉(フタ)は取扱説明書に従って開けられる製品もありますが、保護カバーを外して内部配線に触れたり、ブレーカーを交換したりする作業は行わず、電気工事業者へ依頼してください。
古いブレーカーを使い続けるリスク
古いブレーカーでも正常に動作しているように見えると、交換費用をかけずにそのまま使用したいと考える方もいるでしょう。
しかし、古いブレーカーを使用しつづけることには、以下のようなリスクが伴います。
必要なときに正常に作動しない可能性がある
ブレーカーは、過電流や漏電などの異常が発生した際に電気を遮断することで、電気設備や利用者の安全を守っています。
しかし、内部の機構が経年劣化していると、本来作動すべき状況で正常に遮断できない可能性があります。
そのため、普段問題なく電気を使えていることだけで、ブレーカーが正常と判断することはできません。
更新目安を大幅に超えた設備を使っている場合は、異常が発生するまで待つのではなく、電気工事業者へ点検を依頼して状態を確認するとよいでしょう。
漏電や電気設備の異常を適切に遮断できないおそれがある
漏電ブレーカーには、住宅内の電気が本来の経路以外へ漏れた際に通電を遮断し、感電などの事故を防ぐ役割があります。
そのため、古い漏電ブレーカーが正常に作動しなくなれば、漏電発生時の安全性へ影響する可能性があります。
また、古い住宅では現在の生活に対して回路数や設備構成が合っていないケースもあるでしょう。
古い分電盤を点検するときは、ブレーカーの動作だけでなく、漏電遮断器の有無や住宅全体の回路構成についても確認してもらうことが重要です。
異常発熱や設備の損傷につながる場合がある
ブレーカーや分電盤内部の接続部分などに劣化や接触不良があると、電気抵抗が増えて異常に発熱する可能性があります。
また、発熱が長時間続けば周辺の樹脂や配線などが損傷し、焦げや変色につながることも考えられます。
そのため、古いブレーカーから焦げ臭いにおいがする場合や、分電盤周辺が異常に熱くなっている場合は、そのまま使用し続けないでください。
特に煙や炎が確認できる場合は設備へ近づくことを避け、安全な場所へ避難したうえで119番へ通報しましょう。
古いブレーカーは自分で交換できる?
古いブレーカーの交換では、適合する製品の選定に加えて配線や回路の状態を確認する必要があるため、自分で作業せず、必要な登録・届出を行っている電気工事業者へ依頼し専門業者へ依頼しましょう。
また、分電盤内部には電源を切っても安全に扱えない部分があり、誤った接続は異常発熱や電気事故につながるおそれがあります。
さらに、不具合が一部のブレーカーだけであれば部分交換できる場合もありますが、古い分電盤ではほかの部品も劣化していたり、交換部品がすでに製造されていなかったりするケースも考えられます。
そのため、設置年数や設備の状態、部品の供給状況を専門業者に確認してもらい、部分交換か分電盤全体の交換かを判断することが大切です。
古いブレーカーを交換するときの業者選びのポイント
古いブレーカーを交換するときは、必要な資格を持つ電気工事業者を選び、ブレーカー単体の交換だけでなく、分電盤全体の交換や回路増設まで対応できるか確認しましょう。
また、現地調査後は交換が必要な理由や工事範囲について説明を受け、複数箇所の交換を勧められた場合も、設備の状態を確認したうえで契約することが大切です。
一方で、「分電盤が古いので無料点検する」などと突然訪問し、高額な工事を勧めるトラブルもあります。
そのため、突然の訪問ではその場で契約せず、必要に応じて別の電気工事業者にも相談して、内容や費用を比較してから依頼先を決めましょう。
古いブレーカーの交換を検討したほうがよいケース
交換目安となる年数を超えている場合でも、すぐに分電盤全体を交換しなければならないとは限りません。
しかし、頻繁にブレーカーが落ちる、焦げ臭さや異音がある、分電盤が変色しているなどの異常が重なっている場合は早めの点検が必要です。
また、リフォームやIH・エアコンなど新しい電気設備を導入する際には、既存の回路や容量が対応できるか確認する機会にもなります。
古い設備を使い続けるか迷う場合は、専門家へ状態を確認してもらいましょう。
設置から13年以上経過している
設置から13年以上経過した住宅用分電盤は、交換や点検を検討する1つのタイミングです。
日本配線システム工業会では住宅用分電盤の交換目安を13年としており、Panasonicも住宅用分電盤に内蔵されたブレーカーについて同程度の更新時期を案内しています。
ただし、設備の状態は住宅ごとに異なるため、年数だけで故障と判断する必要はありません。
異常がない場合でも、長期間交換していないのであれば点検を受け、今後の更新時期を相談するとよいでしょう。
異音・異臭・発熱・頻繁な遮断が起きている
設置年数にかかわらず、焦げ臭いにおいや異音、異常な発熱、ブレーカーが頻繁に落ちるといった症状がある場合は早めに点検してください。
こうした症状は、ブレーカー本体だけでなく接続部分や住宅配線、家電などに異常がある場合にも発生します。
そのため、古いから交換すれば必ず解決すると判断せず、原因を調査してもらうことが重要です。
特に焦げや煙が確認できる状態では、原因を確かめるために分電盤へ近づかず、安全を確保したうえで必要な対応を取りましょう。
リフォームや家電の増設を予定している
キッチンのIH化やエアコンの増設、食器洗い乾燥機の導入など、消費電力の大きい設備を追加する場合は、既存の分電盤や回路が対応できるか確認することが大切です。
古い住宅では回路数に余裕がなく、新しい設備を追加するために専用回路の増設や分電盤の交換が必要になるケースがあります。
そのため、古いブレーカーの更新を検討している時期と住宅リフォームが重なる場合は、一緒に電気設備を見直す方法もあるでしょう。
事前に追加予定の設備を業者へ伝えておくことが大切です。
まとめ|古いブレーカーは年数と劣化症状を確認して交換を検討しよう
ブレーカーは長期間使用できる設備ですが、内部部品は経年によって劣化します。
住宅用分電盤については13年が交換を検討する目安とされているため、長期間交換していない場合は設置時期を確認してみましょう。
ただし、13年を過ぎたから直ちに故障しているわけではありません。
実際の交換時期は使用環境や設備の状態によって異なるため、頻繁に落ちる、異音や焦げ臭さがある、異常に熱い、変色しているなどの症状も合わせて判断することが重要です。
また、ブレーカーや分電盤の内部を自分で分解・交換することは避けてください。
設置から長期間経過している場合や異常が確認できる場合は、電気工事業者へ点検を依頼し、ブレーカーのみの交換でよいのか、分電盤全体を更新する必要があるのか確認しましょう。