「電気をほとんど使っていないのにブレーカーが落ちる」「夜中や外出中にも停電している」といった症状があると、原因が分からず不安になるでしょう。
電気の使いすぎに心当たりがない場合は、漏電やショート、ブレーカー本体の経年劣化などが原因になっている可能性があります。
また、冷蔵庫や給湯器など、自身では使用していないつもりでも自動で動作する電気機器もあるため注意が必要です。
本記事では、電気を使ってないのにブレーカーが落ちる原因や、ブレーカーの種類ごとの確認方法、自身でできる対処法、電気工事店へ相談したほうがよい症状について解説します。
電気を使ってないのにブレーカーが落ちる主な原因
電気をほとんど使用していない時にブレーカーが落ちる場合、単純な容量オーバーだけが原因とは限りません。
家電や配線からの漏電、コードなどのショート、ブレーカーそのものの経年劣化なども考えられます。
まずは、以下の情報を参考にどのブレーカーが落ちているのかを確認して原因を絞り込むことが重要です。
家電や屋内配線から漏電している
電気の使いすぎに心当たりがなく、漏電ブレーカーが落ちている場合は、家電や住宅内の配線から電気が漏れている可能性があります。
電源コードの劣化や家電の故障、水分の侵入などによって絶縁性能が低下すると、本来の経路以外へ電気が流れることがあるためです。
そのため、漏電ブレーカーは、この異常を検知して感電や火災を防ぐために電気を遮断します。
もし、何度も落ちる場合は、ブレーカーを繰り返し上げず、電気工事店へ点検を依頼してください。
電源コードや家電がショートしている
電源コードの被覆が破れたり、家電内部の配線が故障したりすると、電線同士が接触してショートすることがあります。
その際は一時的に大きな電流が流れるため、配線用ブレーカーなどが電気を遮断する場合があります。
普段ほとんど使わない機器でも、コンセントへ接続したままで内部に不具合があれば原因になり得るでしょう。
特にコードに傷や変色、焦げ跡がある場合は使用を中止してください。
特定の家電を接続すると落ちる場合も、機器の故障を疑いましょう。
ブレーカー本体が経年劣化している
家電や配線に明確な異常が見つからなくても、ブレーカー本体が長期間の使用によって劣化している可能性があります。
住宅用分電盤に内蔵される配線用遮断器や漏電遮断器について、日本電機工業会の調査では製造後13年が更新推奨時期とされています。
これは13年で必ず故障するという意味ではありませんが、使用環境によっては早く劣化する場合もあるでしょう。
古い分電盤で原因不明の遮断が増えているなら、設備全体の点検を検討してください。
どのブレーカーが落ちているかを確認する
分電盤には、アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、配線用ブレーカーなどが設置されています。
ただし、住宅によって構成は異なり、スマートメーターで契約容量を管理している場合はアンペアブレーカーがないケースもあります。
ブレーカーによって役割が異なるため、「電気を使ってないのに落ちた」と感じた際は、まずどのレバーが下がっているかを確認しましょう。
アンペアブレーカーが落ちている場合
アンペアブレーカーは、家庭全体で使用する電気が契約容量を超えた場合に作動します。
「電気を使っていない」と感じても、冷蔵庫や給湯設備などが自動運転しているタイミングに複数の機器が重なれば、容量を超える可能性はあります。
一方、明らかに使用電力が少ない状態でもアンペアブレーカーが上がらない場合は、設備の故障なども考えられるでしょう。
漏電ブレーカーが落ちている場合
漏電ブレーカーが作動している場合は、住宅内のどこかで漏電が起きている可能性があります。
電気の使用量そのものとは別の問題なので、「何も使っていないから漏電ではない」とは判断できません。
家電やコード、照明設備、屋外設備などが通電状態であれば、使用していない時間帯でも異常が発生することがあります。
漏電ブレーカーが再び落ちる場合には、問題のある回路を切り離したうえで電気工事店などへ点検を依頼しましょう。
配線用ブレーカーだけが落ちている場合
複数ある小さな配線用ブレーカーのうち1つだけが落ちている場合は、その回路に原因があると考えられます。
例えばキッチンやリビングなど特定の場所での電気の使いすぎ、家電のショートなどです。
小さな配線用遮断器が落ちる場合、契約アンペアを増やしても改善せず、その回路の使用機器を減らすか屋内配線を分ける工事が必要になる場合があります。
電気をほとんど使っていないのに落ちるなら、接続機器や配線の点検も検討しましょう。
夜中や留守中にブレーカーが落ちる場合に考えられる原因
夜中や外出中など、自身が家電を操作していない時間にブレーカーが落ちる場合は、常時通電している機器や自動運転する設備を確認してください。
また、雨の日だけ発生するのであれば屋外設備への水分侵入など、特定の条件が影響している可能性があります。
以下を参考に発生する時間帯や天候、どのブレーカーが落ちたかを記録しておくと原因を特定しやすくなるでしょう。
タイマーや自動運転の家電が作動している
エアコンや食器洗い乾燥機、給湯設備などをタイマー設定している場合、自身が寝ている間や外出中に機器が動作することがあります。
また、冷蔵庫のように一定の条件を満たすと自動で運転を開始する機器もあるため、「誰も使っていない時間=電気を使っていない」とは限りません。
毎回ほぼ同じ時間にブレーカーが落ちるなら、その時間帯に自動で動作する設備がないか確認してください。
ただし、1台の機器が作動するだけで頻繁に落ちる場合は、機器や回路の異常も考えられます。
雨の日だけ落ちるなら水分による漏電を疑う
大雨や台風の日、または雨が降った後だけ漏電ブレーカーが落ちる場合は、屋外コンセントや照明、エアコンの室外設備などへ水分が入り、漏電している可能性があります。
注意点として、雨漏りしている場所や濡れた電気設備を自身で触るのは避けてください。
雨天時に繰り返す場合は、天候も含めて電気工事店へ状況を伝えましょう。
電気を使ってないのにブレーカーが落ちた時の対処法
ブレーカーが落ちた際は、すぐに何度もレバーを戻すのではなく、周辺の状態を確認してください。
焦げ臭いニオイや煙、火花、浸水などがある場合は、通常の復旧操作よりも安全確保を優先します。
以下では、電気を使ってないのにブレーカーが落ちた時の対処法を解説します。
コンセントにつながっている家電を確認する
まずは、ブレーカーが落ちる直前に使用していた機器だけでなく、常時コンセントへ接続している家電も確認してください。
コードが家具の下敷きになっていないか、プラグやコンセントが焦げていないか、家電から異音や異臭がしないかを目視できる範囲で確認します。
ただし、原因を調べるために家電を分解したり、分電盤のカバーを取り外して内部配線へ触れたりするのは危険です。
自身での作業が不安な場合や判断できない場合は専門業者へ相談しましょう。
漏電ブレーカーが落ちた場合は回路を切り分ける
焦げや煙、浸水などがなく安全に操作できる場合、配線用ブレーカーをすべて「切」にした後、漏電ブレーカーを入れ、配線用ブレーカーを1つずつ戻して漏電している回路を確認する方法があります。
特定の回路を入れた時に漏電ブレーカーが落ちれば、その回路に異常がある可能性があります。
もし、原因と考えられる回路が見つかった場合は、「切」にしたままにし、電気工事店へ点検を依頼してください。
復旧しても再び落ちる場合は放置しない
一度ブレーカーを上げて電気が使えるようになっても、数時間後や翌日に再び落ちる場合があります。
漏電箇所を特定できず一度復旧したケースでも、一時的な漏電や漏電ブレーカー自体の故障などが考えられるため、再発する可能性があるためです。
「上げればもとに戻るから問題ない」と考えず、発生した時間や天候、使用していた家電、落ちたブレーカーを記録して専門業者へ伝えるとよいでしょう。
すぐに電気工事店へ相談したほうがよい症状
電気の使いすぎが明らかな場合は、使用する家電を減らすことで改善することがあります。
しかし、ほとんど電気を使っていない状態でも頻繁に落ちる場合は、漏電や配線異常、ブレーカーの故障などを確認する必要があります。
以下では、すぐに電気工事店へ相談したほうがよい症状を紹介しますので、当てはまるものがないか確認しましょう。
漏電ブレーカーが何度も落ちる
漏電ブレーカーが一日に何度も落ちたり、数日おきに同じ症状が起きたりする場合は点検を依頼してください。
漏電は常に発生するとは限らず、雨や湿気、家電の運転状態など特定の条件で発生することがあります。
そのため、一度復旧しただけでは原因が解消したとは判断できません。
特に家電をほとんど使っていない状態で作動するなら、配線や常時通電している設備も確認する必要があります。
どの回路で発生しているかを伝え、専門業者に調査してもらいましょう。
焦げ臭い・変色・火花・発熱がある
分電盤やコンセントから焦げ臭いニオイがする、周囲が変色している、火花や異音が発生しているといった場合は、接触不良やショートなどの異常が考えられます。
この状態で「とりあえずブレーカーを上げる」と、設備の発熱が進むおそれがあるため、注意してください。
また、煙や炎が出ている場合は設備へ近づかず、安全な場所へ避難して119番へ通報します。
火災には至っていなくても異常がある場合は、使用を中止し、電気工事店へ点検を依頼してください。
分電盤を長期間交換していない
古い住宅で分電盤を一度も交換しておらず、最近になって原因不明でブレーカーが落ちるようになった場合は、ブレーカー本体の劣化も確認しましょう。
住宅用分電盤自体に一律の交換時期が決められているわけではありませんが、内蔵される住宅用の配線用遮断器・漏電遮断器は製造後13年が更新推奨時期とされています。
交換が必要かどうかは設置年数や自身の判断で決めず、一度電気工事店に状態を確認してもらうことが大切です。
ブレーカーの修理や交換を自身で行わない
落ちたブレーカーのレバーを安全に操作することと、ブレーカー本体や配線を交換することは別です。
住宅の電気設備で不完全な工事をすると、感電や火災につながるおそれがあります。
また、住宅などの一般用電気工作物等に関する電気工事について、第一種または第二種電気工事士の資格が必要としています。
原因を確認しようとして分電盤内部を分解したり、配線をつなぎ直したりすることは避けてください。
ブレーカー交換は電気工事店へ依頼する
ブレーカー本体が劣化していると考えられても、同じ容量の製品を購入して自身で交換するのは避けましょう。
分電盤内部には電源側の配線があり、適切な方法で作業しなければ感電や接続不良による発熱を招くおそれがあります。
住宅の電気工事を適切に行わなければ感電や火災事故につながる危険があるとして資格制度を設けています。
点検の結果、ブレーカーや分電盤の交換が必要と判断された場合は、資格を持つ電気工事士へ依頼してください。
電気を使ってないのにブレーカーが落ちるのを防ぐポイント
ブレーカーが落ちる原因を完全に防げるわけではありませんが、家電や電源コードの状態を定期的に確認すると異常の早期発見につながります。
また、長期間使用している家電や屋外設備、湿気の多い場所にある電気機器は特に注意しましょう。
さらに、分電盤が古い場合は、異常が起きてから交換を考えるのではなく、設置年数や劣化状態を確認しておくことも大切です。
以下では、電気を使ってないのにブレーカーが落ちるのを防ぐポイントを確認していきましょう。
コードやコンセントの状態を定期的に確認する
電源コードが家具に挟まれている、被覆が傷ついている、プラグ周辺が変色しているといった状態を放置しないでください。
コードや家電の故障はショートや漏電の原因となり、使用していないと感じる時間帯でもブレーカーが作動する可能性があります。
異常がある場合は使用を中止し、家電ならメーカー、固定設備なら電気工事店へ相談しましょう。
落ちた時の状況を記録しておく
原因が毎回同じとは限らないため、ブレーカーが落ちた日時、天候、落ちたブレーカー、動いていた家電などを記録しておくと役立ちます。
例えば「雨の日だけ漏電ブレーカーが落ちる」「毎日深夜に同じ安全ブレーカーが落ちる」と分かれば、屋外設備や自動運転する機器など確認すべき箇所を絞りやすくなります。
特に症状が断続的に起こる場合は、電気工事店が訪問した時に正常な状態へ戻っていることもあるため、写真や発生状況を残しておくと説明しやすいでしょう。
まとめ|電気を使ってないのにブレーカーが落ちる場合は漏電や設備不良も確認しよう
電気を使ってないのにブレーカーが落ちる場合は、単純な電気の使いすぎだけではなく、漏電やショート、ブレーカー本体の経年劣化などが原因になっている可能性があります。
まずは、アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、配線用ブレーカーのうち、どれが落ちているのかを確認してください。
特に漏電ブレーカーが何度も作動する場合は、問題のある回路や家電がないか確認し、電気工事店へ点検を依頼することが重要です。
また、住宅用分電盤に内蔵されるブレーカーには経年劣化があり、日本電機工業会の調査では製造後13年が更新推奨時期とされています。
なお、焦げ臭いニオイや火花、異常な発熱などがある時は、ブレーカーを何度も上げて使用を続けないでください。
分電盤内部の修理やブレーカー交換は自身で行わず、安全を確保したうえで資格を持つ電気工事士へ相談しましょう。