漏電は目に見えにくいものの、放置すると火災や感電、家電の故障など深刻な事故につながるおそれがあります。
漏電ブレーカーが頻繁に落ちる、家電に触れると刺激を感じる、焦げ臭いにおいや異音がするといった症状がある場合は、早めの対応が必要です。
本記事では、漏電が起こる仕組みや主な原因、見逃せないサイン、発見時の対処法、予防策をわかりやすく解説します。
漏電を放置するとどうなる?想定される深刻なリスク
ここでは、漏電を放置した際に想定される主なリスクと、異常を感じた時に早めの確認が必要な理由を解説します。
火災につながる危険性
漏電によって本来とは異なる経路へ電流が流れると、配線や機器の一部が発熱し、周囲の可燃物へ燃え移るおそれがあります。
特に、コードの被覆が傷んでいる場所や、ほこりがたまったコンセント周辺、湿気の多い箇所では注意が必要です。
もし、焦げ臭いにおい、変色、異音、漏電ブレーカーの作動が見られた場合は、使用を続けないでください。
煙や火が出ている時は安全な場所へ避難し、消防へ通報したうえで、電気工事業者へ点検を依頼しましょう。
感電による人体への被害
漏電している機器や金属部分へ触れると、人体を通って電流が流れ、しびれや痛み、やけど、筋肉のけいれんなどを引き起こすおそれがあります。
電流の大きさや流れた経路、接触時間によっては、呼吸や心臓へ重大な影響が及ぶ可能性も否定できません。
特に、濡れた手や水回りでは人体の抵抗が下がりやすいため、危険性が高まります。
家電に触れて違和感を覚えた場合は直ちに使用を中止し、無理にプラグや配線へ触れず、速やかに電気工事業者へ相談してください。
電気代の急な上昇
漏電によって電力が消費され続けると、電気使用量や請求額が増える可能性があります。
ただし、電気代の上昇は季節変動、契約単価の変更、家電の使用時間増加などでも起こるため、請求額だけで漏電と判断することはできません。
前年同月やスマートメーターの使用量を確認し、生活状況に変化がないのに増加が続く場合は、ブレーカーの異常や家電の発熱、焦げ臭さなどほかの兆候も確認しましょう。
不安がある時は、契約先の電力会社や電気工事業者へ相談してください。
家電製品の故障や寿命低下
絶縁不良や内部故障が生じた家電では、漏電と動作不良が同時に現れる場合があります。
異常を放置すると部品の損傷や発火につながるおそれがあるため、使用を中止してください。
ただし、家電の故障や寿命低下は、経年劣化、過電流、電源電圧の異常など複数の要因でも起こるため、漏電だけが原因とは限りません。
家電から異臭や異音がする、外装が熱い、漏電ブレーカーが作動するといった症状があれば、直ちに使用を中止してください。
自己判断で分解せず、メーカーの相談窓口や電気工事業者へ点検を依頼しましょう。
そもそも漏電とは?仕組みをわかりやすく解説
漏電とは、本来電線や家電内部を流れるはずの電流が、絶縁部分の劣化や破損、水分・ほこりの侵入などによって外部へ漏れ出す状態です。
そして、漏れた電流が金属部分や人の体を通って大地へ流れると、漏電遮断器が作動するほか、感電や火災につながるおそれがあります。
また、漏電と似た現象にショートや地絡がありますが、ショートは導体同士が接触して大電流が流れる状態、地絡は電路が大地や接地された金属部分につながる現象を指します。
ただし、利用者が症状だけで原因を見分けるのは難しいため、ブレーカーが繰り返し落ちるなど漏電が疑われる場合は放置せず、電気工事業者へ点検を依頼することが重要です。
漏電を引き起こす主な原因
漏電が発生する主な原因は、配線や家電の劣化、水濡れ、プラグの破損など、身近なものです。
また、小動物による配線被害や塩害など、建物の環境が影響する場合もあります。
ここでは、漏電につながりやすい代表的な原因を取り上げ、異常を早めに発見するための確認ポイントを解説します。
電化製品やコード類の経年劣化
電化製品や電源コードは、長期間の使用や曲げ伸ばし、熱、紫外線などの影響で劣化します。
被覆にひび割れや変色が生じると、内部の導体が露出し、金属部分や水分を通じて漏電するおそれがあります。
特に、コードを家具で挟んでいる、プラグの根元を引っ張って抜いている、延長コードを束ねたまま使用している場合は注意が必要です。
焦げ跡や異臭、異常な発熱が見られたら直ちに使用を中止し、補修テープだけで済ませず、製品やコードの交換、専門業者による点検を検討してください。
水濡れ・湿気・雨漏りによる絶縁不良
水濡れや雨漏りによって配線、コンセント、家電内部へ水分が入ると、絶縁性能が低下して漏電する可能性があります。
浴室やキッチン、屋外コンセントのほか、結露が生じやすい場所や雨漏りしている天井裏にも注意が必要です。
濡れた設備を自分で乾かしてすぐ使用すると、内部に水分が残っている場合があります。
また、ブレーカーが作動したり、焦げ臭さや異音が生じたりした時は、その回路や機器を使用しないでください。
水漏れや雨漏りの原因も修理し、通電の再開は電気工事業者による安全確認後に行いましょう。
配線やプラグの破損
コードの被覆が裂けている、プラグが変形している、差し込み部分が緩いといった破損は、漏電や発熱の原因になります。
また、プラグの刃やコンセント周辺にほこりがたまり、湿気を含むと発火へつながる場合もあります。
コードを引っ張って抜く、家具の下に敷く、無理に折り曲げるといった使い方は避けましょう。
焦げ跡、異臭、火花、異常な熱が見られた場合は、可能であれば安全に電源を切り、使用を中止してください。
破損箇所を自己修理せず、製品の交換や電気工事業者によるコンセントの点検を依頼しましょう。
ネズミなど小動物によるかじり被害
ネズミなどの小動物が天井裏や壁内の配線をかじると、被覆が傷ついて導体が露出し、漏電や短絡、火災につながるおそれがあります。
見えない場所で被害が進むこともあるため、天井裏から物音がする、かじられた跡やふんがある、特定の回路だけブレーカーが落ちるといった兆候には注意してください。
ただし、壁内配線を利用者が確認するのは危険です。
小動物の駆除だけで終わらせず、被害が疑われる配線についても電気工事業者へ点検を依頼し、必要に応じて交換や保護対策を行いましょう。
タコ足配線による過負荷
タコ足配線そのものが直ちに漏電を起こすとは限りませんが、電源タップの定格を超えて使用すると、過電流による発熱や被覆の劣化、火災を招くおそれがあります。
特に、ヒーターや電子レンジ、電気ケトルなど消費電力の大きい家電を同じタップへ接続するのは避けてください。
タップやプラグが熱い、変色している、焦げ臭い場合は直ちに使用を中止しましょう。
接続する機器の合計消費電力が定格以内か確認し、コードリールや延長コードも取扱説明書に従って使用することが重要です。
沿岸地域で起こる塩害の影響
沿岸地域では、潮風に含まれる塩分が屋外の配線器具や分電盤、電気機器へ付着し、金属部分の腐食や絶縁性能の低下を招く場合があります。
塩分が湿気を含むと電気を通しやすくなるため、漏電や短絡のリスクにも注意が必要です。
特に、屋外設備や換気口付近など、潮風を受けやすい場所は定期的に状態を確認しましょう。
ただし、水洗いや分解清掃を自己判断で行うと感電や故障につながります。
耐塩害仕様の機器を選び、清掃や交換の方法はメーカーや電気工事業者へ相談してください。
漏電のサインを見逃さない!よくある症状
漏電が起きている場合、漏電ブレーカーが頻繁に落ちる、電化製品に触れるとピリッとした刺激を感じる、雨の日に停電しやすくなるなどの症状が現れることがあります。
また、コンセントや家電から焦げ臭いにおいや異音、火花、煙が生じている場合も、漏電や接触不良などの異常が疑われます。
ただし、これらの症状は雷や機器の故障などでも起こるため、自己判断で漏電と断定するのは避けましょう。
異常がある状態でブレーカーを何度も入れ直したり、機器を再使用したりすると、感電や火災につながるおそれがあります。
そのため、漏電が疑われる症状を放置せず、安全を確保したうえで電気工事業者などへ点検を依頼することが重要です。
漏電を発見した時に今すぐやるべき対処法
漏電が疑われる時は、原因を探すことよりも感電や火災を防ぐ行動を優先してください。
焦げ臭さ、煙、水濡れがある場合は機器や分電盤へ近づかず、安全な場所から専門窓口へ連絡します。
ここでは、ブレーカーや家電を扱える状況の判断基準と、電気工事業者へ依頼すべき目安を解説します。
分電盤ブレーカーで漏電箇所を特定する手順
漏電遮断器が作動した場合、分岐ブレーカーを順番に操作して異常回路を絞り込む方法があります。
ただし、分電盤が濡れている、焦げ臭い、異音や煙がある、操作方法が分からない場合は、自分で行わないでください。
安全に操作できる状況でも、取扱説明書に従い、異常が疑われる回路へ何度も通電しないことが重要です。
特定の分岐ブレーカーを入れた時に漏電遮断器が再び作動した場合は、その回路を切ったままにします。
原因設備には触れず、電気工事業者へ調査を依頼してください。
該当する電化製品をコンセントから抜く
特定の電化製品を使用した時に漏電遮断器が作動する場合は、その製品の使用を直ちに中止してください。
安全に触れられる状態であれば、製品の電源を切ってからプラグ本体を持って抜きます。
ただし、手や床が濡れている、プラグが熱い、火花や煙が出ている場合は触れず、先に安全な場所へ移動してください。
原因確認のために何度も抜き差ししたり、別のコンセントで試したりするのは危険です。
製品を再使用せず、メーカーの相談窓口や電気工事業者へ点検を依頼しましょう。
テスターを使った漏電の調べ方
一般的なテスターだけで漏電の有無や漏電箇所を安全かつ正確に判断するのは困難です。
絶縁状態の確認には絶縁抵抗計や漏れ電流計などの測定器が用いられますが、測定には回路の停電確認や機器の切り離しが必要で、誤った操作は感電や設備損傷につながります。
そのため、コンセントや分電盤へテスターの端子を当てて自己判断する方法は避けてください。
漏電が疑われる場合は、症状やブレーカーが作動した状況を記録し、必要な資格と測定器を備えた電気工事業者へ調査を依頼しましょう。
電気工事業者へ調査・修理を依頼する目安
漏電遮断器が繰り返し作動する、家電に触れると刺激を感じる、焦げ臭さや異音がある、水濡れ後に電気が使えない場合は、電気工事業者へ依頼する目安です。
また、原因となる回路や機器を特定できない場合も、自分で配線や分電盤を分解してはいけません。
電気設備の修理には電気工事士の資格が必要となる作業があるためです。
業者へ連絡する時は、異常が発生した日時、使用していた家電、作動したブレーカー、煙や水濡れの有無を伝えると調査が進みやすくなります。
漏電トラブルを未然に防ぐための対策
漏電トラブルを防ぐには、漏電遮断器を適切に設置し、正常に作動するか定期的に確認することが重要です。
また、電源コードのひび割れや変色、プラグの変形、家電の異常な発熱などが見られる場合は、放置せず早めに交換や点検を行いましょう。
さらに、水回りでは濡れた手でスイッチやプラグに触れないようにし、家電の防水・防滴性能や接地の有無を確認することも大切です。
そして、コンセントや分電盤などを日頃から目視で確認するとともに、異常がある場合や築年数が経過している住宅では、電気工事業者による点検を受けることで漏電や感電、火災のリスクを抑えられます。
まとめ:漏電を放置した場合の危険性と対処法を理解しよう
漏電を放置すると、配線や機器の発熱による火災、家電や金属部分に触れた際の感電など、命や財産に関わる事故へ発展するおそれがあります。
漏電遮断器が繰り返し作動する、焦げ臭いにおいや異音がする、家電に触れると刺激を感じるといった症状があれば、使用を続けないでください。
煙や火、水濡れがある場合は設備へ近づかず、安全な場所へ移動することが重要です。
また、ブレーカーを何度も入れ直したり、一般的なテスターで自己判断したりするのは避けましょう。
異常がある回路や家電は使用せず、電気工事業者へ点検を依頼してください。
漏電遮断器の動作確認や傷んだコードの交換、電気設備の定期点検も行い、事故を未然に防ぎましょう。