ブレーカーが一度だけでなく繰り返し落ちる場合、単なる電気の使いすぎだけでなく、漏電やショート、家電の故障などが隠れている可能性があります。
まず確認したいのは、分電盤のどのブレーカーが落ちているのかです。
アンペアブレーカー、漏電ブレーカー、配線用ブレーカーでは、それぞれ作動する原因が異なります。
また、家電を減らしてもすぐに落ちる場合は、何度も復旧操作を繰り返さず点検を依頼することが大切です。
本記事では、ブレーカーが繰り返し落ちる原因や種類ごとの見分け方、安全な復旧方法、再発を防ぐための対策について解説します。
ブレーカーが繰り返し落ちるときはどのブレーカーが作動したか確認する
ブレーカーが何度も落ちるときは、最初に分電盤を確認し、どのブレーカーが作動しているのかを把握しましょう。
住宅の分電盤には、主にアンペアブレーカー、漏電ブレーカー、配線用ブレーカーがあります。
家全体が停電するのか、一部の部屋だけなのかも原因を判断する手掛かりです。
ただし、焦げ臭さや火花、異常な発熱がある場合は、原因確認のために操作しないでください。
家全体の電気が消えるか確認する
ブレーカーが落ちたときに家全体が停電する場合は、契約容量の超過や漏電などが考えられます。
例えば、エアコンや電子レンジ、ドライヤー、暖房器具など消費電力の大きな家電を同時に使った直後なら、電気の使いすぎが原因かもしれません。
一方、ほとんど家電を使用していないのに家全体の電気が何度も消える場合は、漏電やブレーカー自体の異常も考慮して原因を確認する必要があります。
特定の部屋だけ停電していないか確認する
キッチンやリビングなど特定の場所だけ電気が消える場合は、その回路を保護している配線用ブレーカーが作動している可能性があります。
1つの回路で電子レンジや電気ケトル、暖房器具などを同時に使うと、回路の許容量を超える場合があるので、注意しましょう。
また、家電やコードがショートしたときにも配線用ブレーカーは作動します。
なお、契約アンペアを増やしても、特定回路への負荷集中は解消されません。
特定の家電や天候と関係がないか確認する
「電子レンジを使うと落ちる」「エアコンを運転すると落ちる」など、特定の家電と連動している場合は、その機器や接続している回路に原因がある可能性があります。
また、雨の日に漏電ブレーカーが繰り返し落ちるケースでは、屋外設備や配線が水分の影響を受けていることも考えられるでしょう。
漏電遮断器がよく切れる場合は、使用していた機器や水濡れ、雨天との関係を疑います。
ブレーカーが繰り返し落ちる主な原因
ブレーカーは、電気回路に過剰な電流が流れたり、漏電やショートなどの異常が起きたりした際に電気を遮断する安全装置です。
そのため、何度も落ちる場合は、安全装置が繰り返し作動する原因が存在すると考えられます。
代表的なのは、家庭全体での電気の使いすぎ、一部回路への負荷集中、漏電、家電やコードの故障、ブレーカー本体の劣化などです。
以下で詳しく見ていきましょう。
契約アンペアを超えるほど電気を使っている
アンペアブレーカーが繰り返し落ちる主な原因は、家庭全体で同時に使用する電気が契約容量を超えていることです。
特にエアコン、IHクッキングヒーター、電子レンジ、ドライヤー、電気ヒーターなどは消費電力が大きいため、使用時間が重なるとブレーカーが作動しやすくなります。
毎回同じ家電の組み合わせで落ちる場合は、それぞれを使う時間をずらし、改善するか確認するとよいでしょう。
同じ回路で多くの電気を使っている
家庭全体では契約容量に余裕があっても、一つの回路へ電気の使用が集中すると配線用ブレーカーが落ちる場合があります。
1つの回路で利用できる容量について通常2,000W・20Aまでになります。
ただし、住宅の配線設計は建物によって異なるため、一律ではありません。
キッチンなど消費電力の大きな家電が集まりやすい場所で繰り返す場合は、家電の使い方や回路構成を確認しましょう。
家電や配線から漏電している
漏電ブレーカーが繰り返し落ちる場合は、家電や屋内配線などから電気が漏れている可能性があります。
漏電とは、コードなどを覆う絶縁物の劣化や損傷によって、本来の経路以外へ電気が流れてしまう状態です。
感電や火災につながるおそれがあるため、漏電が疑われる状態を放置してはいけません。
特に雨の日だけ落ちる、水回りの家電を使用すると落ちるといった場合も、点検を検討してください。
電源コードや家電がショートしている
配線用ブレーカーは、電気の使いすぎだけでなくショートが起きた際にも作動します。
例えば、電源コードが家具に挟まれて傷んでいる、プラグや家電内部で故障が起きているといったケースです。
使用する家電を減らしても、特定の機器を接続した瞬間にブレーカーが落ちる場合は、その機器の使用を中止しましょう。
正常か確認する目的で繰り返し電源を入れるのではなく、メーカーや電気工事店などへ相談してください。
ブレーカー本体が経年劣化している
電気の使いすぎや漏電が見つからなくても、ブレーカー自体の経年劣化によって正常に動作しなくなる場合があります。
古い漏電ブレーカーでは、実際に漏電が起きていなくても経年劣化によって落ちることがあります。
長期間使用している分電盤で原因不明の遮断を繰り返している場合は、ブレーカーだけでなく分電盤全体の状態も電気工事店に確認してもらうとよいでしょう。
ブレーカーが繰り返し落ちるときの復旧方法
ブレーカーを復旧するときは、落ちた種類に合わせて対応することが重要です。
電気の使いすぎが原因であれば、家電を減らしてからブレーカーを戻すことで復旧できる場合があります。
一方、漏電やショートが疑われる状況では、単純にレバーを何度も上げ直すのは適切ではありません。
以下では、ブレーカーが繰り返し落ちるときの復旧方法を確認しましょう。
アンペアブレーカーなら使用する家電を減らす
アンペアブレーカーが落れた場合は、直前に使っていた消費電力の大きな家電を中心に電源を切り、同時に使用する機器を減らしてから復旧します。
その後、電子レンジとドライヤーを同時に使わないなど、使用する時間を分散してください。
それでも頻繁に家庭全体の容量を超える場合は、現在の暮らし方に契約容量が合っていない可能性があります。
契約アンペアの変更について契約先の電力会社へ相談する方法もあります。
配線用ブレーカーなら同じ回路の家電を減らす
配線用ブレーカーが落れた場合は、停電した場所で使用していた家電をいったん停止し、負荷を減らしてからブレーカーを復旧します。
これで正常に使えるのであれば、同じ回路で多くの電気を使用したことが原因と考えられます。
ただし、使用する家電を減らした状態でも再び落ちる場合は、機器の故障やショートなども否定できません。
使用機器が少ないのにたびたび落ちる場合は専門業者による点検を依頼しましょう。
漏電ブレーカーなら原因となる回路を確認する
漏電ブレーカーが作動した場合、配線用ブレーカーをすべて切った後に漏電ブレーカーを復旧し、配線用ブレーカーを1つずつ入れることで漏電している回路を確認する方法があります。
もし、特定の回路を入れた際に再び漏電ブレーカーが落ちれば、その回路に原因がある可能性があります。
不良回路は切った状態にし、原因が分からない場合は電気工事店へ相談してください。
ブレーカーが繰り返し落ちないための対策
ブレーカーの再発防止策は、落ちる原因によって異なります。
家庭全体の容量不足なら家電の使い方や契約容量を見直し、特定回路への負荷集中なら使用するコンセントや配線の見直しが必要です。
一方、漏電やショートの場合は、使い方を工夫するだけでは解決できません。
どのタイミングでどのブレーカーが落ちるのかを記録し、原因に合った対策を行いましょう。
消費電力の大きな家電を同時に使用しない
エアコンやドライヤー、電子レンジ、電気ケトル、暖房器具などを同時に使用すると、家庭全体または特定回路の容量を超えることがあります。
毎朝ドライヤーと電子レンジを使う時間に落ちるなど、発生する状況が決まっている場合は、使用時間をずらしてみましょう。
特に熱を発生させる家電は消費電力が大きい傾向があります。
使用する機器を減らして落ちなくなれば、容量超過が原因だった可能性が高まります。
契約アンペア数が生活に合っているか確認する
アンペアブレーカーが頻繁に落ち、家電を使う時間をずらしても生活に支障が出る場合は、契約容量の見直しを検討できます。
家族が増えたり、エアコンや調理家電などが増えたりすると、以前の契約容量では足りなくなることもあるでしょう。
ただし、契約アンペア数を増やしても、一つの配線用ブレーカーに負荷が集中する問題は解決しません。
どのブレーカーが落ちているのかを確認してから対策を選ぶことが重要です。
特定の回路に家電を集中させない
配線用ブレーカーが繰り返し落ちる場合は、同じ回路に消費電力の大きな家電が集中していないか確認しましょう。
コンセントが別々でも、壁の内部では同じ回路につながっている場合があります。
そのため、単に電源タップを追加して差し込み口を増やしても、回路自体の容量が増えるわけではありません。
家電を分散して使用することが難しい場合は、専用回路の増設や配線の分割について電気工事店へ相談してください。
家電や電源コードの状態を定期的に確認する
コードの被覆が破れている、プラグが変色している、家電から異臭や異音がするといった異常がある場合は、そのまま使用を続けないでください。
コードや機器の故障によってショートや漏電が起こると、電気の使用量が少なくてもブレーカーが作動する可能性があります。
また、水や湿気の影響を受ける場所の家電にも注意が必要です。
異常が見られる機器は使用を中止し、必要に応じて修理や交換を検討しましょう。
ブレーカーが何度も落ちる場合は電気工事店へ相談しよう
家電の使用量を減らしたことでブレーカーが落ちなくなった場合は、電気の使いすぎが原因だった可能性があります。
しかし、ほとんど家電を使っていないのに繰り返し落ちる場合や、漏電ブレーカーが作動する場合は注意が必要です。
また、焦げ臭いニオイや火花、異音などがある場合は自身で原因を探ろうとせず、電気工事店などへ点検を依頼しましょう。
電気の使用量を減らしてもすぐ落ちる
電気の使用量を十分に減らしたにもかかわらず配線用ブレーカーが何度も落ちる場合は、単純な容量超過ではなく、家電の故障やショートなどが考えられます。
また、配線やブレーカー本体に不具合が生じている可能性もあるでしょう。
使用している機器が少ないにもかかわらず配線用ブレーカーがたびたび落ちる場合、故障などの危険が考えられるため、早めの点検を依頼しましょう。
漏電ブレーカーが繰り返し落ちる
漏電ブレーカーが復旧後にすぐ落ちる、または何度も繰り返し作動する場合は、漏電している回路や機器が残っている可能性があります。
落雷後に一時的に作動した場合を除き、復旧後すぐに落ちたり何度も繰り返したりする状態では別の原因が考えられます。
感電や火災のおそれもあるため、原因が分からないままブレーカーを何度も上げ直さないでください。
焦げ臭いニオイ・火花・異音がある
ブレーカーやコンセント、家電の周辺から焦げ臭いニオイがする、火花が出る、パチパチと音がする、異常に熱を持っているといった場合は、電気の使用を続けるのは危険です。
ショートや接続部分の異常などが起きている可能性があります。
原因確認のために何度もブレーカーを上げたり、異常がある家電を再び動かしたりしないでください。
安全を確保したうえで電気工事店などへ相談しましょう。
まとめ|ブレーカーが落ちるのを繰り返す場合は原因を確認しよう
ブレーカーが繰り返し落ちる場合は、まず分電盤を確認し、どのブレーカーが作動しているのかを把握することが重要です。
アンペアブレーカーなら家庭全体の電気の使いすぎ、漏電ブレーカーなら漏電、配線用ブレーカーなら特定回路の使いすぎやショートなどが主な原因として考えられます。
消費電力の大きな家電を同時に使った時だけ落ちるのであれば、使用する時間をずらしたり、同じ回路へ家電を集中させないようにしたりすることで改善する可能性があります。
一方、家電の使用量を減らしてもブレーカーがすぐに落ちる場合は、機器の故障や配線の異常なども考えられます。
特に漏電ブレーカーが繰り返し落ちる状態は、感電や火災につながるおそれがあるため放置しないでください。
さらに、焦げ臭いニオイや火花、異音、異常な発熱がある場合は、ブレーカーを何度も上げ直すのは避けましょう。
復旧操作を繰り返すことだけで済ませず、何度も落ちる原因を確認し、必要に応じて電気工事店などへ点検を依頼することが大切です。