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ブレーカーとは?役割や仕組み・種類ごとの簡単な見分け方を解説

突然電気が使えなくなり、「ブレーカーが落ちた」と慌てた経験はありませんか?
スイッチを戻してもすぐにまた落ちたり、どのスイッチを操作すべきか分からなかったりすると不安になるものです。
ブレーカーは、私たちの生活を電気火災や感電といった危険から守る重要な役割を持っています。

本記事では、ブレーカーの基本的な仕組みや種類ごとの見分け方、落ちたときの原因と予防策を解説します。
ぜひブレーカーの正しい知識を身につけ、万が一の電気トラブルに備えましょう。

ブレーカーとは何か?

ブレーカーは、電気を安全に利用するために欠かせない装置です。
しかし、それが具体的に何で、分電盤とどう違うのかを正確に理解している方は少ないかもしれません。

ここでは、家庭の安全を守る基本知識として、以下2つを解説します。

  • 電気を安全に使うための装置
  • 分電盤との違い

違いを理解することが、電気トラブル対応の第一歩です。

電気を安全に使うための装置

ブレーカーとは、電気回路に異常が発生した際、自動的に電気を遮断する安全装置のことです。
ブレーカーは「配線用遮断器」とも呼ばれます。

家庭の分電盤には、以下のように役割の異なる複数の装置が組み込まれています。

  • おもに過電流を遮断する「配線用遮断器」(安全ブレーカー)
  • 漏電を遮断する「漏電遮断器」(漏電ブレーカー)

たとえば、一度に多くの電気を使いすぎたり、電気が本来の通り道以外に漏れたり(漏電)すると、電線が過熱して火災につながるおそれがあります。
また、電線同士が触れてしまうショート(短絡)も危険です。

ブレーカーは、これらの「過電流」や「漏電」を瞬時に検知し、スイッチを切ることで電線を守り、火災や感電事故を未然に防ぐ役割を担っています。

分電盤との違い

「分電盤」と「ブレーカー」はよく混同されますが、役割が異なります。

「分電盤」とは、玄関や洗面所などの壁に設置されている、複数のブレーカーを収納している「箱」全体のことです。
一方、「ブレーカー」は、その分電盤の「箱の中」に収められている個々の安全装置(スイッチ)を指します。

分電盤は、電力会社から送られてきた電気を、家の中の各部屋や回路に分配するための「基地」のようなものです。
そして、その基地から各部屋へ向かう分岐点で、個々のブレーカーが安全を監視しているとイメージすると分かるでしょう。

ブレーカーが持つ3つの役割

ブレーカーが作動する(落ちる)状況は、おもに3つの危険なパターンに分けられます。
この3つの異常を検知し、事故を防ぐことがブレーカーの役割です。

ここでは、以下3つの役割を説明します。

  • 電気の使いすぎを防ぐ
  • 漏電による火災や感電を防ぐ
  • ショートによる機器の故障を防ぐ

これらは、ブレーカーが家庭の安全をどのように守っているかを示しています。

電気の使いすぎを防ぐ

ブレーカーのもっとも身近な役割は、電気の「使いすぎ(過電流)」を防ぐことです。
家庭で一度に使用できる電気の量(容量)は、電力会社との契約や、各部屋への配線の上限によって決まっています。

たとえば、キッチンで電子レンジや炊飯器、電気ケトルを同時に使うと、その回路が許容する容量を超えることがあります。
この状態を放置すると、壁の中の電線が過熱し、火災の原因になりかねません。
ブレーカーは、この「使いすぎ」を検知すると自動で電気を遮断し、電線を保護します。
これが「ブレーカーが落ちる」もっとも一般的な原因の1つです。

漏電による火災や感電を防ぐ

漏電(ろうでん)を防ぐことは、ブレーカーの重要な役割です。
漏電とは、電気が本来の回路から漏れ出してしまう現象です。
原因として、家電の故障やコードの損傷、水濡れなどが考えられます。

もし電気が漏れた状態の家電に触れると、人体に電気が流れて「感電」するおそれがあり、命に関わることもあります。
漏れた電気が建物の金属部分などに流れ続けると、そこから発熱・発火し、「漏電火災」を引き起こす可能性も。
漏電ブレーカーは、この微弱な電気の漏れを検知し、即座に電気を遮断して感電や火災を防ぎます。

ショートによる機器の故障を防ぐ

ブレーカーは「ショート(短絡)」からも電気回路を守ります。
ショートとは、電気回路のプラスとマイナスが、何らかの原因で直接触れてしまう状態のことです。
たとえば、電化製品のコードが傷んで内部の電線がむき出しになり、その2本が接触するとショートが起きます。

ショートが起きると、瞬間的に大きな電流(過電流)が流れ、電線や接続された機器に深刻なダメージを与えたり、火花が散って火災につながったりします。
ブレーカーは、この瞬間的な大電流を検知すると即座に作動し、回路を遮断するのが役割です。

ブレーカーの3つの仕組み

ここでは、なぜブレーカーは異常を検知して落ちるのか、3つの仕組みを解説します。

  • なぜ過電流で落ちるのか
  • なぜ漏電で落ちるのか
  • なぜショートで落ちるのか

それぞれ見ていきましょう。

なぜ過電流で落ちるのか

電気の使いすぎによる「過電流」を検知するブレーカーは、おもに「熱」を利用した仕組み(熱動式)を持っています。
ブレーカー内部には、2種類の金属を貼り合わせた「バイメタル」という部品が組み込まれており、電気が流れるとバイメタルは熱を持ちます。

通常の使用量なら問題ありません。
しかし、電気を使いすぎて過電流状態が続くと、バイメタルの温度が上昇して湾曲します。
この湾曲したバイメタルが、スイッチの留め具(ラッチ)を外すことで、ブレーカーが落ちます。

なぜ漏電で落ちるのか

漏電ブレーカーは、「電気の行きと帰りの差」を監視します。
家庭の電気(交流)は、電線を通って家電に行き、仕事を終えた電気が別の電線を通って帰ってきます。

正常な状態では、「行き」と「帰り」の電流の量はまったく同じです。
しかし、どこかで漏電が起きると電気が途中で漏れ出すため、「帰り」の電流が「行き」よりも少なくなります。
漏電ブレーカーの内部には、この「行きの電流」と「帰りの電流」を常に比較するセンサー(零相変流器)があります。

このセンサーがわずかな差(例:30mAなど)を検知すると、即座に電磁石を作動させ、スイッチを遮断する仕組みです。

なぜショートで落ちるのか

ショート(短絡)による瞬間的な大電流には、「電磁石」を利用した仕組み(電磁式)で対応します。
ブレーカーの内部には、コイル(電磁石)が組み込まれています。
通常時の電流では作動しません。
しかし、ショートが発生して想定をはるかに超える大電流が流れると、このコイルが瞬時に強力な電磁石になります。

この電磁石の力で、スイッチの留め具(ラッチ)を引き外し、回路を遮断します。
過電流(使いすぎ)を検知する熱動式がじわじわと作動するのに対し、電磁式は瞬時に作動するのが特徴です。
この速さが、ショートによる火災や機器の破損を最小限に抑えるために不可欠といえます。

ブレーカーの種類ごとの簡単な見分け方

家庭の分電盤には、おもに3種類のブレーカーが設置されています。

いざというときに慌てないよう、それぞれの簡単な見分け方を4つ紹介します。

  • 分電盤での設置場所を確認する
  • スイッチの大きさや形で確認する
  • テストボタンや色の違いで確認する
  • メーカーごとの特徴で確認する

詳しく見ていきましょう。

分電盤での設置場所を確認する

もっとも簡単な見分け方は、分電盤内の「設置場所」で判断する方法です。
一般的な家庭用の分電盤は、3種類のブレーカーの配置がある程度決まっています。

まず、分電盤の「一番左側」に設置されているのが「アンペアブレーカー(サービスブレーカー)」です。
その右隣、分電盤の「中央」に位置するのが「漏電ブレーカー」となります。
そして、一番「右側」に、小さなスイッチが複数並んでいるのが「安全ブレーカー(分岐ブレーカー)」です。

この「左=アンペア、中央=漏電、右=安全」という配置は多くのご家庭で共通しているため、覚えておくと便利です。

スイッチの大きさや形で確認する

スイッチの「大きさ」や「形」も、種類を見分ける手がかりになります。

一番左にある「アンペアブレーカー」は、家全体の電気を管理するため、ほかのブレーカーよりも一回り「大きい」のが特徴です。
電力会社名が記載されている場合もあります。
中央の「漏電ブレーカー」も、アンペアブレーカーと同じか、それに近い大きさです。

一方、右側に並んでいる「安全ブレーカー」は、各部屋の回路ごとという細かな単位で分かれているため、スイッチのサイズが「小さい」のが特徴です。
この大小の違いで、大まかに判別できます。

テストボタンや色の違いで確認する

もっとも確実な見分け方は「テストボタン」の有無と「スイッチの色」です。
「漏電ブレーカー」には、漏電検知機能が正常に作動するかを確認するための「テストボタン」が必ず付いています。
これは赤や黄色の小さなボタンです。

このボタンがあるものが漏電ブレーカーだと断定できます。
一方、「アンペアブレーカー」は、電力会社との契約アンペア数を示す「色」で分けられている場合があります。
たとえば、東京電力管内では、30Aは緑、40Aは灰色、50Aは茶色といった具合です。
安全ブレーカーには、通常このような特徴はありません。

メーカーごとの特徴で確認する

近年、アンペアブレーカーの機能が「スマートメーター」に内蔵され、分電盤にアンペアブレーカー自体が「ない」ご家庭も増えています。
この場合、分電盤の一番左には、アンペアブレーカーの代わりに「主幹ブレーカー」として漏電ブレーカーが設置されていることが一般的です。

古い分電盤や特定のメーカーの製品では、漏電ブレーカーと安全ブレーカーの機能が一体化したコンパクトなブレーカーが使われている場合もあります。
見分けにくい場合は、ブレーカーの表面に「漏電遮断器」や「ELB」、「配線用遮断器」や「MCB」といった記載がないか確認してみるのも1つの方法です。

ブレーカーが落ちるおもな原因と種類別の確認方法

ここでは、ブレーカーが落ちるおもな原因と、どのブレーカーが落ちているかを確認する方法を4つのパターンで解説します。

  • 契約アンペアを超えた電気の使いすぎを疑う
  • 特定の回路での電気の使いすぎを点検する
  • 漏電ブレーカーの作動で漏電の可能性を探る
  • 原因不明の場合はブレーカー本体の故障を考える

正しい原因特定が、安全な復旧につながります。

契約アンペアを超えた電気の使いすぎを疑う

分電盤を確認し、「アンペアブレーカー」だけが落ちている場合、原因は家全体での電気の「使いすぎ」です。
これは、電力会社との契約アンペア数(例:30A)を超えて、同時に多くの家電を使用したことを意味します。

たとえば、エアコンや電子レンジ、ドライヤーなどを同時に使うと、契約容量を超えやすくなります。
復旧するには、まず使用中の家電のスイッチを切るか、プラグをいくつか抜いてください。
その後、アンペアブレーカーのつまみを「入」に戻せば復旧します。
ただし、スマートメーターの場合は10秒ほどで自動復旧することもあります。

特定の回路での電気の使いすぎを点検する

「安全ブレーカー」のどれか1つだけが落ちている場合、その回路での「電気の使いすぎ」または「ショート」が原因です。

たとえば、「台所」と書かれた安全ブレーカーが落ちていれば、台所で使用している家電の合計が容量を超えた可能性が高いです。
復旧するには、まずその回路(台所)で使用していた家電のプラグをコンセントから抜きます。
その後、落ちた安全ブレーカーのつまみを「入」に戻してください。

もし家電のプラグを抜いても、ブレーカーを「入」にした瞬間に再び落ちる場合は、ショートの可能性も疑われます。

漏電ブレーカーの作動で漏電の可能性を探る

「漏電ブレーカー」が落ちた場合、家のどこかで「漏電」している可能性があり、もっとも注意が必要です。
漏電は火災や感電の直接的な原因となるため、慎重な対応が求められます。

この場合、アンペアブレーカーや安全ブレーカーも一緒に落ちているかもしれません。
安全に復旧し、漏電箇所を特定するために、まずすべての安全ブレーカーを「切」にします。

次に、漏電ブレーカーを「入」にし、安全ブレーカーを1つずつ「入」にしていきます。
途中で漏電ブレーカーが再び落ちたら、その直前に入れた回路が漏電の原因です。

原因不明の場合はブレーカー本体の故障を考える

電気を使いすぎていないのに頻繁にブレーカーが落ちる、漏電箇所を特定しても異常が見つからない場合、ブレーカー本体の「故障」や「寿命」かもしれません。

ブレーカーの耐用年数は、一般的に設置から10年~15年とされています。
古いブレーカーは、内部の部品が劣化し、正常に作動しなくなることがあります。

たとえば、「焦げ臭い匂いがする」「本体が異常に熱い」「ジーという異音がする」といった兆候があれば、故障のサインです。
このような症状がある場合は、火災の危険もあるため、自分で対処せず、すぐに専門の電気工事業者に点検を依頼してください。

ブレーカーを落とさないための予防策

ブレーカーが頻繁に落ちると、生活が不便になるだけでなく、家電製品への負担も心配です。

ここでは、ブレーカーを落とさないための3つの予防策を紹介します。

  • 家電を使う時間帯を分散させる
  • 消費電力の大きい家電を把握する
  • 契約アンペア数の見直しを検討する

これらの対策で、快適な電気使用を目指しましょう。

家電を使う時間帯を分散させる

もっとも手軽で効果的な予防策は、消費電力の大きい家電を「同時に使わない」ことです。
たとえば、朝の忙しい時間帯は電子レンジやドライヤー、電気ケトルが同時に稼働しがちです。
これがアンペアブレーカーや安全ブレーカーが落ちる原因になります。

対策として、「電子レンジを使い終わってからドライヤーを使う」「炊飯器の予約機能で調理時間をずらす」など、意識的に分散させましょう。
家族がいる場合は、別の部屋で同時にドライヤーを使わないよう声をかけるだけでも、家全体の電力のピークを抑えることにつながります。

消費電力の大きい家電を把握する

どの家電がどれくらい電気を使うのか、消費電力(アンペア数)を把握しておくことも大切です。
とくに注意が必要なのは、「熱」を発生させる家電です。

たとえば、ドライヤー(約8~12A)や電子レンジ(約10~15A)、IHクッキングヒーター、電気ストーブなどは単体で大きな電力を消費します。
家電製品のアンペア数をあらかじめ確認し、合計が契約アンペアや安全ブレーカーの容量を超えないよう組み合わせを考えましょう。
家電のアンペア数は、取扱説明書や本体のラベルに記載されています。

契約アンペア数の見直しを検討する

時間帯を分散させても頻繁にアンペアブレーカーが落ちる場合は、生活スタイルに対して「契約アンペア数」が不足している可能性があります。
家族が増えたり、大型の家電を導入したりした場合、必要な電気の総量自体が増えていることが考えられます。

ご家庭のアンペアブレーカーの色(緑なら30Aなど)や、電力会社の検針票で現在の契約アンペア数を確認しましょう。
そのうえで、生活に見合っていないと感じる場合は、契約している電力会社に相談し、契約アンペア数の見直し(増設)を検討してください。

まとめ:ブレーカーとは何かを理解して電気トラブルに備えよう

ブレーカーとは何か、その役割や仕組み、見分け方を理解しておくことは、電気トラブルへの備えの第一歩です。
しかし、漏電が疑われる場合、ブレーカーが頻繁に落ちる、焦げ臭いなどの異常が見られる際は、火災や感電の危険があるため専門的な対応が必要です。

設備人では、こうしたブレーカーのトラブルをはじめ、コンセントや照明など電気まわりの問題に、国の資格を保有した工事士が駆けつけます。
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お見積もりやご相談は無料ですので、電気の異常を感じたら、安全のためにまずはお気軽にご連絡ください。

     

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