突然テレビが映らない！アンテナが原因？自分でできる対処法を解説

楽しみにしていた番組の途中で、突然テレビが映らなくなると慌ててしまいます。
画面が真っ暗になったり、エラーコードが表示されたりすると、故障かと不安になるかもしれません。
しかし、多くの場合はアンテナやケーブルの接続など、簡単な確認で改善する可能性があります。

本記事では、テレビが映らない場合に考えられる原因を、アンテナ周りを中心に解説します。
ぜひ落ち着いて、ご自身でできることから1つずつ確認してみてください。

テレビが映らないときにまず確認したいエラーコード

テレビが映らないとき、画面にエラーコードが表示されていないでしょうか？
この番号は、テレビがどのような問題を検知しているかを示す重要な手がかりです。

ここでは、代表的なエラーコードの意味を説明します。

• E202：電波が届いていないサイン
• E201：電波レベルが低下している状態
• E203：チャンネルが放送休止中
• その他：その他のエラーコードの意味

まずはご自宅のテレビに表示されている番号を確認しましょう。

E202は電波が届いていないサイン

E202は、テレビに放送信号（電波）がまったく届いていないことを示すエラーコードです。
「信号が受信できません」「アンテナ接続か受信環境に不具合があります」といったメッセージと共に表示されます。

原因は多岐にわたりますが、アンテナの向きのズレやケーブルの抜け、ブースターの故障、あるいは悪天候による一時的な受信不良などが考えられます。
テレビ本体の故障ではなく、アンテナからテレビまでの「電波の通り道」のどこかで問題が発生している可能性が高い状態です。
まずはアンテナケーブルの接続など、基本的な部分から確認する必要があります。

E201は電波レベルが低下している状態

E201は、アンテナが受信している電波のレベルが低下している状態を示します。
E202（信号なし）ほどではありませんが、映像を正常に表示するために必要な最低限の電波品質や強度を満たしていない状態です。

E202が表示される前兆として現れることも少なくありません。
原因はE202とほぼ共通しており、アンテナの向きのわずかなズレやケーブルの劣化、悪天候による電波の減衰などが考えられます。
E202と同様に、電波の受信環境に問題があることを示しています。

E203はチャンネルが放送休止中

E203は、本来「チャンネルが放送休止している状態」を意味するエラーコードです。
深夜のメンテナンス時間帯などでない限り、このエラーが表示されることは稀でしょう。

もし日中にこのエラーが表示され、番組表などで放送休止中ではないことが確認された場合、テレビ側が電波の状態を誤判定している可能性があります。
その場合、E201やE202と同様に、電波の受信レベル不足や一時的な不具合が根本的な原因となっていることが考えられます。
まずは本当に放送休止中か番組表を確認し、そうでない場合は電波の受信状況を疑ってください。

その他のエラーコードの意味

E200番台以外にも、注意が必要なエラーコードがあります。
代表的なものが、以下のエラーです。

• E100：B-CASカードが挿入されていない
• E101：カードが読み取れない（接触不良）
• E102：カードが認識できない（破損の可能性）

この場合は、アンテナではなくB-CASカードに問題があります。
カードの向きが間違っていないかも確認しましょう。

テレビが映らない原因はアンテナにある？おもな確認ポイント

テレビが映らない原因として、もっとも疑われるのがアンテナ本体やその周辺機器のトラブルです。
アンテナは屋外に設置されているため、天候や周辺環境の影響を強く受けます。

ここでは、アンテナ関連で確認すべきおもなポイントを解説します。

• アンテナの向きのズレ
• アンテナ本体の故障や寿命
• アンテナケーブルの接続不良や劣化
• 周辺の建物や障害物の影響
• 悪天候による一時的な受信不良
• 700MHz帯の電波干渉

これらは専門的な確認が必要な場合もあります。

アンテナの向きのズレ

アンテナは、電波塔や放送衛星の方向に正確に向けて設置する必要があります。
とくにBS／CS放送用のパラボラアンテナは、数ミリズレただけでも受信できなくなるほどシビアです。

台風や強風、地震などの影響でアンテナの向きがズレてしまうと、受信レベルが低下し、E201やE202エラーが発生します。
地デジアンテナも同様に、電波塔の方向から外れると特定のチャンネルだけ映らなくなったり、全体の映りが悪くなったりします。

悪天候のあとに突然映らなくなった場合は、この原因を疑いましょう。
ただし、屋根の上など高所での調整は危険なため、専門業者への依頼が必要です。

アンテナ本体の故障や寿命

一般的なアンテナの寿命は、設置環境にもよりますが約10年から15年とされています。
とくに海沿いの地域では塩害でサビやすく、豪雪地帯では雪の重みで変形するなど、寿命が短くなる傾向があります。

設置から10年以上が経過している場合、アンテナ本体の破損や、内部への浸水によるショートなどで、正常に電波を受信できなくなることも。
見た目にサビや傾きがある場合は、寿命による交換が必要かもしれません。

アンテナケーブルの接続不良や劣化

アンテナからテレビ本体まで電波を運ぶアンテナケーブルも、映らなくなる原因の1つです。
まず確認したいのは、壁のアンテナ端子やテレビの入力端子に、ケーブルが接続されているかどうかです。

掃除や家具の移動で緩んだり、抜けたりすることがあります。
また、ケーブル自体も屋外配線部分などは劣化します。

被膜が破れて雨水が浸水したり、内部で断線したりすると、電波が正しく伝わりません。
接続部を一度抜き差ししてみるだけでも、接触不良が改善することがあります。

周辺の建物や障害物の影響

アンテナと電波塔の間に、電波を遮るものができてしまうと、受信レベルが低下します。
たとえば、近隣に高層マンションやビルが建設された場合、それが壁となって電波が届かなくなるケースです。

自宅の庭木が成長して、アンテナの方向を遮ってしまったという場合もあります。
以前は問題なく映っていたのに、周辺環境の変化と同時に映りが悪くなった場合は、この原因も考えられるでしょう。

この場合、アンテナの設置場所をより高い位置に変更したり、受信感度の高いアンテナに交換したりするなどの対策が必要です。

悪天候による一時的な受信不良

台風やゲリラ豪雨、大雪などの悪天候は、電波の受信に一時的な影響を与えます。
とくにBS／CS放送の電波は、雨や雪の影響を受けやすく、一時的にE201やE202が表示されることがあります。

この場合は、天候の回復を待つのが基本的な対処法です。
天候が回復すれば、自然と映りが戻ることがほとんどです。
ただし、天候が回復しても映りが戻らない場合は、強風などでアンテナの向きがズレたり、故障したりした可能性もあります。

700MHz帯の電波干渉

スマホの普及に伴い、その電波がテレビの電波と干渉し、受信障害を引き起こすケースがあります。
これは「700MHz（メガヘルツ）電波障害」と呼ばれる現象です。

この問題の対策は「一般社団法人 700MHz利用推進協会」が行っており、対象となる可能性のある地域には事前にチラシが配布されます。
もしチラシが投函されており、症状が出ている場合は、協会のコールセンターに連絡すれば無料で調査や対策（フィルター設置など）を行ってくれます。

アンテナ以外でテレビが映らない原因5つ

アンテナや電波受信には問題がないのに、テレビが映らないこともあります。

ここでは、アンテナ以外でテレビが映らないおもな原因を5つ紹介します。

• テレビ本体の一時的な不具合
• B-CASカードの接触不良や破損
• チャンネル設定の不備
• ブースターや分配器など周辺機器の故障
• 集合住宅の共用設備の不具合

それぞれ見ていきましょう。

テレビ本体の一時的な不具合

最近のテレビは多機能で、内部は精密なコンピューターのようになっています。
そのため、内部のシステムが一時的にフリーズしたり、誤作動を起こしたりすることがあります。

この場合、もっとも簡単で有効な対処法が「テレビの再起動（リセット）」です。
リモコンで電源を切るだけでなく、テレビ本体の電源プラグをコンセントから抜き、1分ほど待ってから再び差し込む「電源リセット」を試してください。
これにより内部のシステムがリフレッシュされ、症状が改善することが多くあります。

B-CASカードの接触不良や破損

地上デジタル放送やBS／CS放送の視聴には、B-CASカード（またはminiB-CASカード）が必要です。
「E100（カード未挿入）」や「E101（読み取れない）」といったエラーが表示された場合は、このカードが原因でしょう。

対処法は、テレビの電源を切ったうえで、一度B-CASカードを抜き、ICチップの金色の部分を乾いた柔らかい布で優しく拭きます。
その後、カードの向きを間違えないように奥まで差し直してみてください。
ホコリや静電気が原因の場合、これで改善することがあります。

チャンネル設定の不備

引っ越しをしたあとにテレビが映らない場合、もっとも多い原因がチャンネル設定の不備です。
テレビは、その地域で受信可能な放送局の情報を記憶しています。
引っ越しで地域が変わると、前の居住地のチャンネル情報が残っているため、新しい地域の電波を受信できません。

この場合は、テレビの設定メニューから「チャンネル設定」や「初期スキャン」といった項目を選び、「チャンネルの再スキャン」を実行しましょう。
引っ越し以外でも、放送局の周波数が変更された際に必要になることがあります。

ブースターや分配器など周辺機器の故障

アンテナとテレビの間には、電波を増幅する「ブースター」や、複数の部屋に電波を分ける「分配器」といった周辺機器が設置されていることがあります。
これらの機器が故障すると、テレビに電波が届かなくなります。
とくに「家のテレビがすべて映らない」場合、大元のブースターが故障しているかもしれません。

ブースターは電気で動作するため、電源部のコンセントが抜けていないか、電源ランプが消えていないかも確認が必要です。
これらの機器は屋根裏や壁の中に設置されていることもあり、確認や交換は専門業者への依頼が基本となります。

集合住宅の共用設備の不具合

アパートやマンションなどの集合住宅では、屋上にあるアンテナやブースターは「共用設備」として、建物全体で共有しています。
そのため、もしご自宅だけでなく、隣の部屋など建物全体でテレビが映らない場合、この共用設備に不具合が発生している可能性が高いです。

この場合、入居者が個人でアンテナ業者を呼んで修理することはできません。
まずは「管理会社」や「大家さん」に連絡し、状況を説明してください。
管理会社が指定業者を手配し、共用設備の点検・修理を行う流れとなります。

【症状別】テレビが映らないときの対処法

ここでは、テレビが映らない症状別に、考えられる原因と対処法を解説します。

• 突然テレビが映らなくなった
• 音は出るのに映像が映らない
• 特定のチャンネルだけ映らない
• 引っ越し先でテレビが映らない
• BSは映るが地デジが映らない

ご自身の状況にもっとも近いものから確認してください。

突然テレビが映らなくなった

さっきまで普通に映っていたのに、突然画面が真っ暗になったり、E202が表示されたりした場合、まずは簡単なセルフチェックから行いましょう。

テレビ本体の一時的な不具合（フリーズ）の可能性があるため、テレビの「再起動（電源プラグの抜き差し）」を試してください。
掃除などでアンテナケーブルや電源ケーブルが緩んだり抜けたりしていないか、接続部を確認します。

これらを試しても改善しない場合は、前述の「悪天候による一時的な受信不良」や「700MHz帯の電波干渉」などの可能性も検討してください。

音は出るのに映像が映らない

「画面が真っ暗」または「音は出るのに映像が映らない」という症状は、アンテナからの電波が正常に受信できている可能性が高いです。

この場合、まず疑うのは「入力切替」の間違いです。
リモコンの入力切替ボタンが押され、地デジやBSではなく「HDMI1」や「ビデオ」入力に切り替わっていないか確認してください。
また、レコーダーなどを経由している場合、HDMIケーブルの接触不良も考えられます。

それでも改善しない場合、テレビ本体の映像処理基盤や、液晶画面のバックライトが故障している可能性も考えられます。

特定のチャンネルだけ映らない

「特定のチャンネルだけ映らない」「フジテレビだけノイズが入る」などは、チャンネルの周波数帯の電波だけが弱くなっていることを示しています。
これは、アンテナの向きが電波塔からわずかにズレていることが原因でよく起こります。

向きがズレることで、もともと弱かったチャンネルが受信基準値を下回ってしまうためです。
電波を増幅するブースターが特定の周波数帯だけうまく増幅できていない場合や、700MHz電波障害の影響を受けている可能性もあります。
まずは「チャンネルの再スキャン」を試してみるのも有効です。

引っ越し先でテレビが映らない

引っ越し先でテレビを接続しても映らない場合、慌てる必要はありません。
もっとも多い原因は、前述の「チャンネル設定の不備」です。

必ず「チャンネルの再スキャン（初期スキャン）」を実行してください。
それでも映らない場合は、壁のアンテナ端子にケーブルが正しく接続されているか、B-CASカードが輸送中に緩んでいないかを確認します。
また、新居がケーブルテレビ専用の建物である可能性もあります。
その場合はアンテナではなく、ケーブルテレビ局との契約が必要です。

家のテレビがすべて映らない

すべてのテレビが同時に映らなくなった（E202が表示されるなど）場合、原因は個別のテレビ本体や室内の配線にある可能性は低いです。

問題は、それらすべてのテレビに電波を供給している「大元」にあると考えられます。
戸建ての場合は、アンテナ本体の転倒や故障、または前述の「ブースターや分配器など周辺機器の故障」が強く疑われます。

マンションやアパートの場合は、「集合住宅の共用設備の不具合」の可能性が高いため、管理会社や大家さんへの連絡が必要です。

BSは映るが地デジが映らない

「BS／CS放送は問題なく映るのに、地デジ（地上デジタル放送）だけが映らない」という場合、原因は地デジの受信系統に限定されます。

この症状は、地デジ用のアンテナの向きのズレ、地デジ用アンテナの故障、または地デジとBS／CSの電波を分ける「分波器」の故障や配線ミスなどが考えられます。
反対に「地デジは映るがBSが映らない」場合は、BSアンテナの向きのズレや、テレビ側からのBSアンテナへの電源供給がOFFになっていることなどが原因です。

まとめ：アンテナが原因でテレビが映らないときは落ち着いて対処しよう

突然テレビが映らなくなると焦ってしまいますが、まずは落ち着いて原因を切り分けることが大切です。
ご自身で対処しても改善せず、アンテナの故障や不具合が疑われる場合は、専門家による点検や修理が必要です。

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