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ブレーカーの仕組みと役割を種類別に解説!落ちる原因

突然、家の電気が消えて「ブレーカーが落ちた」と困っていませんか?
電気が使えないと生活が止まってしまい、不安になるものです。
なぜブレーカーが落ちるのか、その仕組みを理解しておくことは、安全な復旧作業とトラブルの再発防止に欠かせません。

本記事では、分電盤にある3種類のブレーカーの基本的な仕組みと役割、落ちる3つのおもな原因を解説します。
突然のトラブルにも慌てず対応できる知識を身につけてください。

目次

そもそもブレーカーとは?分電盤の役割と仕組みについて

ブレーカーは、家庭の電気の安全を守る重要な装置です。
電気を安全に使うためには、まずこの分電盤とブレーカーの基本的な仕組みを知ることから始まります。

ここでは、ブレーカーの全体像を把握するために、以下5つの基本項目を解説します。

  • ブレーカーの基本的な役割
  • 分電盤の内部構造とブレーカーの位置
  • 一般的な配線方式(単相3線式)
  • 特殊な設置環境(スマートメーター)
  • ブレーカーが落ちるとはどういう状態か

これらを通して、なぜブレーカーが必要なのかを理解しましょう。

ブレーカーの基本的な役割

ブレーカーのもっとも重要な役割は、電気の異常を検知して自動的に電気の流れを「遮断」することです。
これにより、感電や火災といった重大な事故を未然に防いでいます。

家庭で起こり得る電気の異常には、おもに以下の3種類があります。

  • 電気の使いすぎ(過電流)
  • ショート(短絡)
  • 漏電

ブレーカーは、これらの危険な状態を瞬時に感知し、該当する回路の電気を強制的に止める安全装置です。
電気が落ちると不便に感じますが、それは家と家族の安全を守るためにブレーカーが正しく仕事をした証しといえるでしょう。

>>関連記事「ブレーカーとは?役割や仕組み・種類ごとの簡単な見分け方を解説」はこちら

分電盤の内部構造とブレーカーの位置

分電盤は、家中の電気を管理・分配するための中枢部です。
フタを開けると、内部には複数のスイッチ(ブレーカー)が並んでいるのが分かるでしょう。
一般的な家庭の分電盤には、役割の異なる3種類のブレーカーが配置されています。

もっとも左側には、家全体の大元となる「アンペアブレーカー」が設置されています(設置されていない場合もあります)。
その隣(中央)にあるのが、漏電を検知する「漏電ブレーカー」です。
そして右側には、「安全ブレーカー」と呼ばれる小さなスイッチが複数並んでいます。

この配置と3種類の役割を把握することが、トラブル対応への近道です。

一般的な配線方式(単相3線式)

現在の日本の一般家庭では、「単相3線式(たんそうさんせんしき)」という配線方式が主流です。
これは、電柱から3本の電線(2本の電圧線と1本の中性線)を引き込む方法を指します。

この方式の最大の特徴は、100Vと200Vの2種類の電圧を同時に使える点です。
3本のうち「電圧線(どちらか1本)」と「中性線」を組み合わせると100Vが取り出せます。

一方、「電圧線(2本)」だけを組み合わせると200Vが取り出せます。
これはエアコンやIHクッキングヒーターなど、パワーが必要な大型家電専用に使われるものです。
分電盤は、この配線を各部屋に効率よく分配する役割も担っています。

特殊な設置環境(スマートメーター)

近年、電力メーターの交換が進んだ家庭では、分電盤の内部が従来と異なる場合があります。
これは故障ではなく、屋外に設置されている次世代型電力計「スマートメーター」に、アンペアブレーカーの機能が内蔵されているためです。

このタイプでは、契約アンペアを超える電気を使うと、分電盤のスイッチではなく、屋外のスマートメーターが電気を遮断します。
大きな特徴として、遮断されても通常は10秒後に自動で電気が流れ始める仕組みになっています。

もし分電盤に異常がないのに一瞬だけ停電してすぐ復旧した場合は、このスマートメーターが作動した可能性が高いでしょう。

ブレーカーが落ちるとはどういう状態か

「ブレーカーが落ちる」とは、分電盤にあるブレーカーのスイッチが「切(OFF)」の状態になり、その先の回路への電気供給が遮断された状態を指します。

これは、電気の使いすぎや漏電といった異常をブレーカーが検知したことで起こる、安全装置の正常な作動です。
ブレーカーが落ちることは、電気設備や家電を守り、火災や感電を防ぐための警告と捉えましょう。

【種類別】ブレーカーの仕組みと役割をそれぞれ解説

一般的な家庭の分電盤には、大きく分けて3種類のブレーカーが設置されています。
突然の停電時に正しく対処するためには、この3つの違いを正確に理解しておかなければなりません。

ここでは、以下の3種類のブレーカーについて、それぞれの仕組みと役割を解説します。

  • アンペアブレーカーの仕組みと役割
  • 漏電ブレーカーの仕組みと役割
  • 安全ブレーカーの仕組みと役割

ご自宅の分電盤と見比べながら特徴を確認しましょう。

アンペアブレーカーの仕組みと役割

アンペアブレーカーは、電力会社との契約に関わる、家全体の大元のブレーカーです。
「サービスブレーカー」とも呼ばれます。

分電盤の一番左側に設置されている、もっとも大きなスイッチです。
スイッチには「30A」や「40A」のように、ご家庭で契約しているアンペア数が記載されています。

ここでは、アンペアブレーカーの2つの主要な役割について説明します。

  • 家全体で使える電気の上限を管理する
  • 契約アンペアを超えた電気の使用で回路を遮断する

このブレーカーが落ちる原因は、家全体での電気の使いすぎです。

家全体で使える電気の上限を管理する

アンペアブレーカーのおもな役割は、電力会社との契約アンペア数に基づき、家全体で「同時に」使える電気の総量(上限)を管理することです。
たとえば「30A」契約なら、家全体で同時に使えるのは30Aまで、という意味になります。

電力会社によっては、この契約アンペア数がスイッチの色で示されていることもあります(例:緑色が30Aなど)。
このブレーカーは、契約容量を超えないように監視する門番のような存在といえるでしょう。

契約アンペアを超えた電気の使用で回路を遮断する

もし家全体で同時に使用する電気の総量が、契約しているアンペア数を上回ると、アンペアブレーカーが自動的に作動して回路を遮断します。

たとえば、電子レンジ(約10~15A)とドライヤー(約8~12A)、IHヒーター(約20A)を同時に使うと、30A契約の家庭では容量を超えるため、ブレーカーが落ちます。
これがアンペアブレーカーが落ちる唯一の仕組みです。

漏電ブレーカーの仕組みと役割

漏電ブレーカー(漏電遮断器)は、3種類の中でもっとも安全に関わる重要なブレーカーです。
アンペアブレーカーの隣(中央付近)に設置され、「テストボタン」と呼ばれる小さなボタンが付いているのが特徴です。

ここでは、漏電ブレーカーの2つの主要な側面を解説します。

  • 漏電を検知して感電や火災の危険を防ぐ
  • 回路の行きと帰りの電流の差を検知して作動する

このブレーカーが落ちた場合は電気の使いすぎではなく、危険な異常事態のサインです。

漏電を検知して感電や火災の危険を防ぐ

漏電ブレーカーの役割は、配線や家電の故障・劣化によって電気が漏れ出す「漏電」を素早く検知し、自動的に電気を遮断することです。

漏電を放置すると、人が触れた際に感電したり、漏れた電気が熱を持って火災を引き起こしたりする重大な事故につながります。
漏電ブレーカーは、命に関わる危険な事故を未然に防ぐ、命を守るための安全装置なのです。

回路の行きと帰りの電流の差を検知して作動する

漏電ブレーカーは、電気の使いすぎではなく、電流の「差」を監視しています。
内部にはZCT(零相変流器)というセンサーがあり、回路に「行く電流」と「戻ってくる電流」の量を常に比較しています。

正常時は行く量と戻る量は同じですが、漏電が発生すると、漏れた分だけ戻る電流が減るからです。
この「行き」と「帰り」のわずかな電流の差を検知した瞬間に、漏電と判断して回路を遮断する仕組みになっています。

安全ブレーカーの仕組みと役割

安全ブレーカーは、分電盤の右側に複数並んでいる小さなスイッチ群で、「配線用遮断器」とも呼ばれます。
これらは「台所」「居間」「エアコン」など、家の中の各部屋やコンセントの回路ごとに細かく分かれています。
家全体を管理するほかの2つと異なり、個別の回路を守るのが特徴です。

ここでは、安全ブレーカーの2つの主要な役割について説明します。

  • 部屋ごとの回路を個別に保護する
  • ショートや許容量以上の電流で回路を遮断する

このブレーカーが落ちた場合、停電するのはその回路の部屋やコンセントだけです。

部屋ごとの回路を個別に保護する

安全ブレーカーの役割は、分電盤から各部屋のコンセントや照明へ続く「分岐回路」を個別に保護することです。

たとえば、台所の回路で異常が発生しても、台所の安全ブレーカーだけが落ちるため、ほかの部屋は停電せずに電気を使えます。
これにより、異常が起きた箇所を特定しやすくし、家全体への影響を最小限に抑えられます。

ショートや許容量以上の電流で回路を遮断する

安全ブレーカーは、2種類の異常を検知して作動します。

1つは、その回路での「電気の使いすぎ(過電流)」です。
たとえば、1つのコンセントで電子レンジと電気ポット(合計20A以上)を同時に使うと、回路の許容量(通常20A)を超えて落ちます。

もう1つは、コードの破損などで起きる「ショート(短絡)」です。
ショートすると瞬時に大電流が流れるため、それを検知して即座に回路を遮断します。

ブレーカーが落ちる仕組みとは?3つのおもな原因

ブレーカーが落ちる原因は、電気の使いすぎや漏電などさまざまですが、どのブレーカーが落ちたかによって、その原因はほぼ特定できます。

ここでは、ブレーカーが落ちる代表的な3つの原因を解説します。

  • 原因1:契約アンペア数を超える電気の使いすぎ
  • 原因2:漏電による回路の異常
  • 原因3:ショートや特定箇所での電気の使いすぎ

ご自宅でブレーカーが落ちた際、どれに該当するかを判断する参考にしてください。

原因1:契約アンペア数を超える電気の使いすぎ

この原因に該当するのは「アンペアブレーカー」が落ちた場合です。
電力会社との契約アンペア数を超える電気を家全体で同時に使用したことが原因で、いわゆる「電気の使いすぎ」状態といえます。

とくに朝の支度時や冬場など、消費電力の大きい家電が集中しやすい時間帯に起こりがちです。
これは故障ではないため、使用する家電を減らすことで対処できます。

原因2:漏電による回路の異常

この原因に該当するのは「漏電ブレーカー」が落ちた場合です。

家のどこかの回路や接続されている家電から電気が漏れている「漏電」を示しており、感電や火災につながるもっとも危険なサインです。
電気の使いすぎとは根本的に異なる深刻な異常のため、復旧には原因箇所の特定が不可欠であり、慎重な対応が求められます。

原因3:ショートや特定箇所での電気の使いすぎ

この原因に該当するのは、特定の部屋や回路だけが停電する「安全ブレーカー」が落ちた場合です。

原因は、その回路での「電気の使いすぎ(過電流)」か、コードの破損などで起きる「ショート(短絡)」のいずれかです。
とくにショートは火災に直結する危険があるため、どちらが原因かを見極めることが安全な復旧の手がかりとなります。

ブレーカーの仕組みに関するよくある質問

ブレーカーの仕組みや役割について理解が深まると、さらに具体的な疑問が出てくるかもしれません。

ここでは、ブレーカーの仕組みに関してよくある質問とその回答をまとめました。

  • ブレーカーを落とすと電気代は安くなる?
  • ブレーカーを切るときはどの順番で切るべき?
  • ブレーカーの交換時期や寿命の目安は?
  • 災害時にブレーカーを落とすのはなぜ?

これらの知識も、安全な電気の使用に役立ててください。

ブレーカーを落とすと電気代は安くなる?

結論からいうと、電気代は安くなりますが、0円にはなりません。
安くなる理由として、家電製品がコンセントに接続されているだけで消費する「待機電力」を完全にカットできる点があげられます。

しかし、電力会社との契約には、電気使用量とは別にかかる「基本料金」が設定されている場合がほとんどです。
ブレーカーを落として使用量が0になっても、この基本料金は請求されます。
また、冷蔵庫や24時間換気システム、給湯器の凍結防止機能など、切ってしまうと問題が生じる機器もあるため注意が必要です。

ブレーカーを切るときはどの順番で切るべき?

電気を「切る」場合(点検や漏電特定時)は、末端の回路から順番に切っていきます。
まず「安全ブレーカー(子)」をすべて切り、次に「漏電ブレーカー」、最後に「アンペアブレーカー(主)」の順で切ってください。

反対に、電気を「入れる」場合(復旧時)は、逆の手順を踏みます。
「アンペアブレーカー(主)」を入れ、次に「漏電ブレーカー」を入れます。
最後に「安全ブレーカー(子)」を1つずつ、ゆっくりと入れていきましょう。

この順番を守ることで、漏電箇所の特定が安全に行え、復旧時の機材への急な負荷を防ぐことにもつながります。

ブレーカーの交換時期や寿命の目安は?

ブレーカーも電気機器であるため、寿命(耐用年数)があります。
一般的に、分電盤及び内部のブレーカーの交換目安は、設置から約10~15年とされています。

設置から10年以上が経過している場合、ブレーカーが劣化している可能性も。
劣化が進むと、電気の使いすぎでもないのに頻繁に落ちたり、反対にショートなど異常があっても作動しなかったりする不具合が発生する危険があります。

「いつもと同じなのに最近よく落ちる」などの症状がある場合は、早めに専門業者に点検を依頼することをおすすめします。

災害時にブレーカーを落とすのはなぜ?

地震などの大規模災害が発生した際、「避難するときはブレーカーを落とす」ことが推奨されています。
これは、停電からの復旧時に発生する「通電火災」を防ぐためです。

地震の揺れで、電気ストーブなどの熱を発する家電が倒れたり、家具の下敷きになって電源コードが損傷したりすることがあります。
避難して誰もいない家で火災が発生するのを防ぐため、家を離れる際にはアンペアブレーカーを「切」にしておくことが、有効な安全対策です。

まとめ:ブレーカーの仕組みを理解して安全な電気使用を

ブレーカーが落ちるのは、電気の異常を知らせる安全信号です。
3種類のブレーカーの仕組みを理解し、使いすぎか漏電か、原因を見極めることが大切です。
もし「漏電ブレーカーが戻らない」「原因不明のまま頻繁に落ちる」といったブレーカーのトラブルでお困りの際は、無理をせず専門家にご相談ください。

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