ブレーカーが復旧できない原因には、漏電やショート、電気の使いすぎ、家電や配線の故障、ブレーカー本体の経年劣化などがあります。
また、レバーが中間位置で止まっているだけで、見た目では「入」になっているように見えるケースもあります。
本記事では、ブレーカーが落ちて復旧できない原因や安全な確認手順、何度も落ちる場合の対処法、電気工事業者などへ相談する目安について解説します。
ブレーカーが落ちて復旧できないときは無理に操作を繰り返さない
ブレーカーが落ちて復旧できないとき、無理に操作を繰り返してはなりません。
具体的な理由には、以下が挙げられます。
ブレーカーが落ちるのは異常から電気設備を守るため
ブレーカーには種類ごとに役割があり、配線用ブレーカーは過電流や短絡、漏電ブレーカーは漏電などを検知して回路を遮断します。
そのため、レバーを上げてもすぐに再び落ちる場合は、ブレーカーの故障ではなく、原因となる異常が解消されていない可能性があります。
まずは復旧させることだけを優先せず、安全装置が作動した理由を確認しましょう。
復旧できない状態で何度も上げ直すことは避ける
ブレーカーを上げてもすぐに落ちる場合、漏電やショートなどの異常が残った回路へ再び電気を流している可能性があります。
そのため、「何回か操作すれば復旧するかもしれない」と繰り返しレバーを上げることは避けてください。
一度適切な手順を試しても復旧できない場合は、それ以上の操作をせず専門家へ相談しましょう。
ブレーカーが落ちて復旧できない主な原因
ブレーカーが復旧できない原因としては、漏電やショートが続いているケース、電気の使用量が多すぎるケース、ブレーカー自体の故障などが考えられます。
また、家電や電源コードの不具合によって、特定の回路へ異常な電流が流れている場合もあります。
以下では、ブレーカーが落ちて復旧できない原因を見ていきましょう。
住宅内のどこかで漏電している
漏電ブレーカーを上げてもすぐに落ちる場合は、住宅内の家電や配線などで漏電が続いている可能性があります。
漏電とは、本来電気が流れる経路以外へ電気が漏れている状態で、感電や火災につながりかねません。
漏電ブレーカーは異常を検知すると自動的に電気を遮断するため、原因となる回路が残っていれば復旧は難しいでしょう。
家電や電源コードでショートが起きている
特定の家電を使用した直後にブレーカーが落れ、その後も復旧できない場合は、家電や電源コードでショートしている可能性があります。
例えば、コードが家具やドアに挟まれて傷んでいる場合や、強く折り曲げられている場合は注意が必要です。
また、家電内部の故障によって短絡が起きるケースもあります。
東京電力パワーグリッドでは、家電やコード、自宅内部の配線の損傷によってショートすることがあると説明しています。
疑わしい家電は使用せず、修理や点検を依頼してください。
電気を使いすぎた状態が解消されていない
アンペアブレーカーや配線用ブレーカーが電気の使いすぎで落ちた場合、使用中の家電を減らさずにブレーカーを戻すと、再び容量を超えて落ちることがあります。
特に、エアコンや電子レンジ、ドライヤー、電気ヒーターなど消費電力の大きい家電を同時使用している場合は注意してください。
復旧前に使用中だった家電の電源を切り、必要に応じてプラグを抜いて電気の使用量を減らしましょう。
その後、ブレーカーを正しく戻すことで復旧できる場合があります。
ブレーカーが中間位置で止まっている
ブレーカーが落ちた際、製品によってはレバーが完全な「切」の位置まで下がらず、中間位置で止まる場合があります。
この状態では、一見するとブレーカーが上がっているように見えても実際には通電しておらず、そのまま上方向へ押しても復旧できないことがあります。
正しく操作しても入らない場合は、故障や設備異常を疑いましょう。
ブレーカー本体が故障・劣化している
漏電や電気の使いすぎなどが確認できない場合は、ブレーカーそのものが故障している可能性もあります。
特に長期間使用している漏電ブレーカーや配線用ブレーカーでは、内部部品の経年劣化によって正常に動作しなくなる場合があります。
正常に「入」にならない場合は専門業者へ点検を依頼しましょう。
落ちたブレーカーの種類から復旧できない原因を確認する
ブレーカーにはいくつかの種類があり、落ちたものから復旧できない原因を特定できる場合もあります。
以下では、ブレーカーの種類とともに、復旧できない原因を解説します。
アンペアブレーカーが復旧できない場合
アンペアブレーカーが落ちる主な原因は、家庭全体で契約アンペアを超える量の電気を使用したことです。
復旧する際は、エアコンや電子レンジ、ドライヤーなど使用していた家電の電源をいったん切り、電気の使用量を減らしてからブレーカーを戻してください。
また、スマートメーターで契約アンペアを管理している場合は、容量超過後に自動復旧するケースもあります。
家電を止めても復旧しない場合は、ほかのブレーカーや供給設備の状態も確認することが必要です。
漏電ブレーカーが復旧できない場合
すべての配線用ブレーカーを切っても漏電ブレーカーを正常に入れられない場合は、漏電ブレーカー本体を含む設備側の異常が考えられるため、電気工事業者へ点検を依頼しましょう。
一方、漏電ブレーカーは入るものの、特定の配線用ブレーカーを入れた瞬間に再び落ちる場合は、その回路で漏電している可能性があります。
原因回路が分かったらその回路は切ったままにして、点検を依頼してください。
配線用ブレーカーが復旧できない場合
配線用ブレーカーが上がらない、または上げてもすぐに落ちる場合は、その回路への負荷が大きすぎるか、接続された家電や配線でショートなどが起きている可能性があります。
まず、その回路で使用していた家電の電源を切り、電源プラグを安全に外せる場合は取り外してください。
その後もブレーカーが正常に入らない場合は、回路内の配線やブレーカー本体に異常がある可能性があります。
何度も操作を繰り返さず、電気工事業者へ点検を依頼しましょう。
ブレーカーが落ちたときの基本的な復旧手順
ブレーカーの復旧では、いきなり落ちたレバーを上げるのではなく、使用していた家電を停止してから種類に応じた操作を行うことが重要です。
特に、漏電ブレーカーが落ちている場合は配線用ブレーカーをすべて切り、問題のある回路を1つずつ確認する方法があります。
ブレーカーが落ちたときは、以下の手順で復旧作業を行ってみましょう。
まず使用していた家電の電源を切る
ブレーカーを操作する前に、停電する直前まで使用していた家電の電源を切ってください。
特に、アイロンや電気ストーブ、ヒーターなど発熱する製品が電源オンのままだと、復旧した瞬間に再び運転を始めて事故につながるおそれがあります。
また、電気の使いすぎが原因だった場合は、使用中の家電を減らさなければ再びブレーカーが落ちる可能性があります。
レバーを一度「切」まで下げてから「入」にする
落ちたブレーカーのレバーが中間位置に止まっている場合は、いったん一番下の「切」まで押し下げ、その後に「入」へ戻してください。
漏電ブレーカーや配線用ブレーカーは、見た目では「入」に近い位置に見えても内部では遮断状態となっていることがあります。
ただし、正しい操作後もすぐ落ちる場合は、それ以上復旧を繰り返してはなりません。
漏電ブレーカーの場合は配線用ブレーカーを1つずつ戻す
漏電ブレーカーが落ちた場合は、まずすべての配線用ブレーカーを「切」にしたうえで、漏電ブレーカーを「入」にしましょう。
その後、配線用ブレーカーを1つずつ戻し、どの回路を入れたときに漏電ブレーカーが落ちるかを確認します。
特定の回路で再び落ちた場合は、その回路に漏電が発生している可能性があります。
問題のある回路は使用せず、ほかの安全な回路だけを復旧させたうえで、速やかに電気工事業者へ点検を依頼してください。
ブレーカーを戻してもすぐ落ちる場合に考えられること
ブレーカーを正しく戻した直後に再び落ちる場合は、単にレバー操作を間違えているのではなく、回路側の異常が続いている可能性があります。
代表的な原因は漏電、ショート、家電の故障、電気の使いすぎなどです。
以下では、具体的な対処法を見ていきましょう。
特定の家電を使うと落ちるなら家電の故障を疑う
ブレーカーを復旧した後、特定の家電を動かした瞬間に再び落ちる場合は、その家電本体や電源コードに不具合がある可能性があります。
特に、コードの被覆が傷んでいる、プラグが変色している、焦げ臭いといった症状がある場合は使用を続けないでください。
異常が疑われる家電は使用を中止し、メーカーや販売店へ相談しましょう。
特定の回路を入れると落ちるなら漏電や配線異常を疑う
漏電ブレーカーを復旧した後、ある配線用ブレーカーを「入」にしたときだけ再び落ちる場合は、その回路で漏電している可能性があります。
また、その回路に接続されている家電が原因となっている場合もあるでしょう。
この場合、問題が疑われる配線用ブレーカーを「切」のままにし、原因が分からない状態で使用を再開しないことが大切です。
漏電箇所を確認するには専門的な測定が必要になるため、回路を自分で分解したり修理したりせず電気工事業者へ相談してください。
すべての回路を切っても入らないなら本体故障も考える
配線用ブレーカーをすべて「切」にしているにもかかわらず、漏電ブレーカーを正常に「入」にできない場合は、本体故障などの可能性があります。
また、レバーを一度下まで下げてから戻しても固定されない場合も、専門的な点検が必要です。
正しく再操作しても入らなければ、自分で分解せず問い合わせや点検を依頼してください。
ブレーカーが復旧できないときにやってはいけないこと
停電が続くと早く電気を使いたくなりますが、原因を確認せず何度もブレーカーを操作したり、分電盤を分解して配線を確認したりすることは避けてください。
ブレーカーが復旧できない場合は、安全装置が漏電やショートなどの異常を検知している可能性があります。
ブレーカーが復旧しないときは、さらなるトラブルを避けるためにも、以下を行わないよう注意してください。
無理にレバーを固定して通電させる
ブレーカーを上げてもすぐ落ちるからといって、レバーを押さえたり何らかの方法で固定したりして強制的に通電させてはいけません。
ブレーカーは異常を検知したときに電気を遮断する安全装置であり、その動作を妨げると漏電やショートによる事故につながるおそれがあります。
また、落ちる原因が家電や配線にある場合は、ブレーカーを固定しても異常そのものは解消しません。
正常に「入」の状態を保てない場合は使用を中止し、設備の点検を依頼してください。
分電盤を開けて自分で修理する
ブレーカーが戻らない原因を確認するために、分電盤のカバーを外して端子や電線を触ることは避けてください。
分電盤ではブレーカーを切った状態でも電源側に通電部分が残る場合があり、誤って工具や手が触れると感電する危険があります。
そのため、利用者が行うのはレバーなど通常操作できる部分までとし、内部の確認や交換は電気工事業者へ依頼しましょう。
ブレーカーが復旧できないときに専門業者へ相談したほうがよいケース
ブレーカーが復旧できないときは、該当するケースごとに適した専門業者へ相談しましょう。
以下では、復旧できないケースの例と、相談するのに適した専門業者を紹介します。
正しい手順で操作しても復旧しない
家電の電源を停止し、ブレーカーを一度「切」まで下げてから「入」へ戻しても電気が復旧しない場合は、ブレーカー本体や住宅設備に異常がある可能性があります。
また、すべてのブレーカーが「入」でも停電している場合は、住宅側だけでなく送配電設備側の不具合も考えられます。
自分で判断できない場合は、電力会社や電気工事業者へ状況を伝えましょう。
焦げ臭さ・異音・発熱などがある
ブレーカーが復旧できない状態に加えて、分電盤やコンセントから焦げ臭いにおいがする、普段とは違う音がする、異常に熱くなっている場合は注意が必要です。
このような症状がある場合は、接触不良やショートなどによって設備内部で異常が起きている可能性があります。
また、原因を調べようとして設備へ何度も触れる必要はありません。
特に煙や炎が確認できる場合は無理に分電盤へ近づかず、安全な場所へ避難したうえで119番へ通報してください。
賃貸住宅では管理会社や大家へ連絡する
賃貸住宅でブレーカーが復旧できない場合は、分電盤や建物内部の配線など貸主側の設備に原因がある可能性があります。
そのため、自分で電気工事業者へ修理を依頼する前に、管理会社や大家へ連絡して対応方法を確認するとよいでしょう。
連絡する際は、家全体と一部のどちらが停電しているか、どのブレーカーが落ちるのか、正しい操作をしても復旧しないかなどを伝えてください。
ただし、焦げや煙など緊急性の高い異常がある場合は、安全確保を最優先にしましょう。
ブレーカーが復旧した後も再発しないか確認する
ブレーカーを正常に戻せた場合でも、その後の状態を確認することが重要です。
一時的な電気の使いすぎであれば、使用する家電を減らすことで再発を防げる可能性があります。
一方、漏電ブレーカーが再び落ちる場合や、特定の家電・回路を使うと症状が再発する場合は、原因が残っていると考えられます。
これら2つのケースについて、詳しく見ていきましょう。
復旧後は家電を順番に使用する
電気が復旧した直後に、停止していたエアコンや電子レンジ、ヒーターなどを一斉に動かすと、再び電気の使用量が大きくなってブレーカーが落ちる可能性があります。
そのため、復旧後は必要な家電から順番に電源を入れ、同時使用を避けるとよいでしょう。
また、特定の家電を動かした瞬間に再びブレーカーが落ちた場合は、その製品に異常がある可能性があります。
同じ家電を何度も試さず使用を中止し、メーカーや修理業者などへ点検を相談してください。
一度復旧しても漏電ブレーカーが再び落ちる場合は点検する
漏電ブレーカーを復旧できても、その後再び落ちる場合は一時的な問題として放置しないでください。
東京電力パワーグリッドでは、漏電箇所を特定できず一度電気が使えるようになった場合でも、漏電ブレーカー自体の故障や一時的な漏電が考えられ、再度停電する可能性があるとして点検を勧めています。
そのため、「一度復旧したから安全」と判断するのではなく、繰り返し作動する場合は電気工事店などへ点検を依頼し、原因を確認してもらいましょう。
まとめ|ブレーカーが落ちて復旧できない場合は原因を確認して安全に対処しよう
ブレーカーが落ちて復旧できない原因には、漏電やショート、電気の使いすぎ、家電・配線の故障、ブレーカー自体の経年劣化などがあります。
また、レバーが中間位置で止まっているため、正常にリセットできていないケースもあります。
復旧する際は、まず使用していた家電の電源を切り、落ちたブレーカーを一度「切」の位置まで下げてから「入」に戻してください。
漏電ブレーカーの場合は、配線用ブレーカーを1つずつ戻して問題のある回路を確認できる場合もあります。
ただし、正しい手順でも復旧しない、戻してもすぐ落ちる、焦げ臭さや異音がある場合は、何度も操作を繰り返してはいけません。
自分で分電盤を分解せず、電気工事業者や地域の一般送配電事業者などへ相談し、安全を確認してから電気の使用を再開しましょう。