ブレーカーは、電気の使いすぎや漏電、ショートなどの異常を検知して電気を遮断する安全装置です。
そのため、落ちたからといって必ず故障しているわけではありません。
一方、長期間の使用による経年劣化や接続部分の異常などによって、ブレーカー本体に不具合が起こる場合もあります。
本記事では、ブレーカーが壊れる主な原因や故障を疑うサイン、交換時期の目安、異常が起きたときの対処法について解説します。
ブレーカーが壊れる主な原因
ブレーカーが壊れる原因としては、長期間の使用による経年劣化のほか、端子部分の接触不良や高温・湿気などの使用環境、繰り返される異常な電気負荷などが考えられます。
まずは、ブレーカーが壊れる主な原因について見ていきましょう。
長期間の使用による経年劣化
ブレーカー内部には接点や遮断機構などの部品が使われており、長期間使用することで徐々に劣化していきます。
長期間の使用によって経年劣化するとブレーカーが誤作動し、思わぬ停電を引き起こす場合があります。
また、ブレーカーの使用期間の目安は、一般用途の配線用遮断器と漏電遮断器を15年、住宅用を13年程度の交換推奨時期といわれているため、該当する場合は、不具合が発生する前に点検や更新を検討しましょう。
端子部分の緩みや接触不良
ブレーカーと配線をつなぐ端子部分の状態が悪化すると、正常に電気が流れにくくなり、異常な発熱につながる場合があります。
長年の振動によって端子ねじが緩み、接触不良から過熱して焦げる可能性があるといわれており、こうした異常が進むと、ブレーカーや周辺部品の損傷につながりかねません。
しかし、端子の状態を確認するために分電盤内部へ触れるのは危険が伴うため、焦げや異臭がある場合は、自分で締め直さず専門業者へ点検を依頼してください。
高温や湿気など使用環境の影響
ブレーカーや分電盤は設置環境によっても劣化の進み方が変わる場合があります。
例えば、高温になりやすい場所では内部部品へ熱による負荷が加わり、湿気や結露が多い場所では絶縁性能などへ影響するケースが考えられます。
また、ホコリが多い環境では分電盤内部へ汚れが蓄積することも考えられるでしょう。
そのため、交換推奨時期より短い使用期間でも、設置環境や設備の状態によっては点検が必要になります。
異臭や発熱などの異常がある場合は、年数に関係なく早めに相談してください。
過電流やショートなどの異常が繰り返されている
配線用ブレーカーは、回路の容量を超える電気が流れた場合やショートなどが発生した場合に作動します。
頻繁にブレーカーが落ちる状態では、電気の使いすぎや家電の故障、配線の異常などが継続している可能性があります。
したがって、ブレーカーを上げ直すだけで使用を続けても根本的な解決にはなりません。
また、短絡している回路については、ブレーカーを入れずに修理することが必要とされています。
何度も同じ回路が落ちる場合は、電気工事業者へ点検を依頼しましょう。
ブレーカーの故障を疑う主なサイン
ブレーカーに以下の症状が見られる場合は、故障しているサインかもしれません。
対処を考える前に、まずはこちらを確認してみましょう。
スイッチを上げても「入」にならない
ブレーカーが落ちた際は、製品によってレバーが中間位置に止まる場合があり、一度「切」の位置まで下げてから「入」にすると復旧できるケースがあります。
しかし、正しい方法で操作しても「入」にならない場合は、本体故障や回路側の異常が考えられます。
一度レバーを一番下まで下げてから入れても復旧しない場合は、ブレーカーが故障しているおそれがあるため、何度も操作を繰り返さず専門家へ相談しましょう。
電気をあまり使っていないのに頻繁に落ちる
エアコンや電子レンジ、ドライヤーなどを同時に使用したときだけブレーカーが落ちる場合は、電気の使いすぎが原因かもしれません。
しかし、使用する家電が少ないにもかかわらず何度も落ちる場合は、家電の故障や漏電、配線のショート、ブレーカー自体の異常なども考えられます。
また、古いブレーカーでは経年劣化によって誤作動する可能性があります。
電気の使用量を減らしても症状が続く場合は、故障と決めつけず電気設備全体を点検してもらうことが大切です。
「ジジジ」などの異音が聞こえる
ブレーカーや分電盤から普段は聞こえない異音がする場合は、内部部品の劣化や電気的な異常が起きている可能性があります。
古い漏電ブレーカーの異音は、経年劣化によって内部部品の固定が緩み共振している場合や、負荷機器の状態変化で通電電流が増加しているサインかもしれません。
そのため、異音がするから必ず本体故障とは限りませんが、使用期間が長い設備では点検や交換を検討してください。
焦げ臭い・変色・発熱などがある
分電盤から焦げ臭いにおいがする、ブレーカー周辺が黒や茶色に変色している、異常に熱を持っている場合は注意してください。
端子の接触不良などによって異常発熱が起きると、ブレーカー周辺が焦げたり部品が損傷したりする可能性があります。
また、この状態で原因を確認するためにカバーを外したり、何度もブレーカーを上げたりすることは危険です。
焦げ臭さや変形など明らかな異常が見られる場合は使用を続けず、安全を確保して電気工事業者へ相談しましょう。
ブレーカーが壊れたように見えても別の原因の場合がある
ブレーカーが頻繁に落ちても、本体が壊れているとは限らず、電気の使いすぎや家電の故障、漏電などが原因の場合があります。
例えば、エアコンや電子レンジなどを同時に使ったときだけ落ちる場合は、契約容量や回路の許容範囲を超えて正常に作動しているのかもしれません。
一方、特定の家電を使うたびに落ちる場合は、家電や電源コードの故障、ショートなども疑われます。
また、漏電ブレーカーが繰り返し作動する場合は、住宅内で漏電が起きている可能性があるため注意が必要です。
そのため、落ちる状況を確認し、原因が分からない場合や症状が続く場合は何度も上げ直さず、専門業者へ点検を依頼しましょう。
ブレーカーが壊れた状態を放置するリスク
故障が疑われるブレーカーを放置すると、単に停電しやすくなるだけでなく、安全装置としての役割を十分に果たせない可能性があります。
また、接触不良などによる異常発熱が続けば、分電盤内部や配線など周辺設備へ影響することも考えられます。
以下では、ブレーカーの故障を放置するリスクについてみていきましょう。
必要なときに正常に電気を遮断できない可能性がある
ブレーカーは異常な電流や漏電を検知した際に電気を遮断し、事故の拡大を防ぐ重要な設備です。
そのため、本体の内部部品が劣化・故障している場合は、本来必要な状況で正常に作動できない可能性があります。
普段問題なく電気が使えていることだけで、安全装置として十分に機能しているとは判断できません。
特に交換推奨時期を大幅に超えている場合や、レバーが正常に動作しないなどの症状があれば、電気工事業者へ点検を依頼して交換の必要性を確認してください。
異常発熱によって周辺設備が損傷する場合がある
ブレーカーや分電盤の端子部で締付不良などにより接触状態が悪化すると、発熱や焼損につながる可能性があるとされています。
そのため、焦げ臭さや変色がある場合は、単に古いブレーカーだから仕方がないと放置しないでください。
さらに煙や炎が発生している場合は無理に分電盤へ近づかず、安全な場所へ避難したうえで119番へ通報することが重要です。
ブレーカーの交換時期は13~15年程度が1つの目安
ブレーカーが壊れる前に交換すべきか迷う場合は、使用年数を判断材料の1つにできます。
配線用遮断器と漏電遮断器の交換推奨時期について一般用途は15年、住宅用は13年といわれています。
ただし、使用環境によって劣化の進み方は異なるため、年数だけでなく異常の有無も確認して交換時期を判断しましょう。
住宅用ブレーカーは13年程度を目安に更新を検討する
住宅用分電盤に内蔵されるブレーカーでは、13年程度が更新を検討する1つの目安とされています。
ただし、13年を過ぎた時点で必ず故障するという意味ではありません。
反対に、設置環境や取り扱い状況によって劣化が進んでいれば、推奨時期より早く交換が必要になる場合もあります。
設置から長期間経過している場合は、異常がなくても点検や更新を検討するとよいでしょう。
年数より早く異常が出た場合も点検する
設置から13年経過していなくても、ブレーカーを入れられない、頻繁に落ちる、焦げ臭い、異音がするといった異常が出ている場合は点検を受けてください。
交換推奨時期はあくまで一般的な目安であり、実際の劣化状態は使用環境や電気設備の状態によって異なります。
定期点検で異常が確認された場合や取り扱い状況に応じて劣化が進んでいる場合には、早めに更新するのが賢明です。
そのため、年数だけを理由に使用を続けず、症状を優先して判断しましょう。
ブレーカーが故障したときにやってはいけないこと
ブレーカーの故障が疑われても、自分で分電盤を開けて内部を確認したり、部品を交換したりすることは避けてください。
また、ブレーカーを戻してもすぐに落ちる場合に、何度も操作を繰り返すことも適切ではありません。
原因が漏電やショートであれば、安全装置が異常を検知して電気を遮断している可能性があります。
以下では、ブレーカーが故障したときにやってはいけないことを見ていきましょう。
何度もブレーカーを上げ直す
ブレーカーを上げてもすぐに落ちる状態では、過電流や漏電、ショートなどの原因が残っている可能性があります。
そのため、何度もスイッチを上げ直して通電を繰り返すことは避けてください。
また、本体故障が疑われる場合でも、操作を繰り返したからといって改善するとは限りません。
特に、焦げ臭さや異音などを伴っている場合は、設備の異常が進んでいる可能性があります。
一度正しい方法で復旧しても再び落ちる場合は、それ以上操作せず専門業者へ点検を依頼しましょう。
分電盤を開けて自分でブレーカーを交換する
ブレーカーが故障しているように見えても、分電盤のカバーを外して自分で部品を取り替えることは避けてください。
分電盤内部には電気が供給されている部分があり、誤って触れると感電やショートなどの事故につながるおそれがあります。
利用者が確認する場合は、取扱説明書に従って分電盤の扉(フタ)を開け、通常操作・確認できるブレーカー表面までにとどめましょう。
まず専門業者による点検を受け、故障箇所を確認したうえで、ブレーカーのみを交換するか分電盤全体を更新するか判断してもらうことが大切です。
ブレーカーが壊れた可能性がある場合は専門業者へ点検を依頼しよう
ブレーカーの故障が疑われる場合は、自分で交換範囲を判断せず、まず専門業者へ点検を依頼しましょう。
故障が一部だけであればブレーカー単体の交換で対応できる場合がありますが、分電盤を長期間使用している場合は、ほかのブレーカーや内部部品も劣化している可能性があります。
また、古い分電盤では、製品や型式によって交換部品の供給状況が異なります。部分交換が可能か、分電盤全体の更新が必要かは、型式と設備状態を電気工事業者に確認して判断しましょう。
一方、賃貸住宅では貸主側の設備として修理や交換が行われる場合があるため、業者を手配する前に管理会社や大家へ相談してください。
なお、煙や炎が出ている場合は、連絡よりも避難と119番通報を優先しましょう。
まとめ|ブレーカーが壊れる原因は経年劣化だけとは限らない
ブレーカーが壊れる主な原因には、長期間の使用による経年劣化や端子部分の接触不良、使用環境などが考えられます。
また、頻繁に落ちる場合でも、ブレーカー本体ではなく電気の使いすぎ、漏電、家電や配線のショートなどが原因となっている場合があります。
住宅用ブレーカーでは13年程度、一般用途では15年程度が交換を検討する1つの目安です。
ただし、使用年数だけで故障の有無を判断せず、正常に「入」にならない、頻繁に落ちる、異音や焦げ臭さがあるといった症状にも注意してください。
異常がある場合はブレーカーを何度も上げ直したり、分電盤を自分で分解したりしないことが大切です。
原因が分からない場合や長期間使用している場合は、電気工事業者へ点検を依頼し、ブレーカー単体または分電盤全体の交換が必要か確認しましょう。